聖書:使徒行伝1章8節

8:ただ、聖霊があなたがたにくだる時、あなたがたは力を受けて、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、さらに地のはてまで、わたしの証人となるであろう。

 「全世界に出て行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えよ」(マルコ16:
15)と命じられたイエス様は、そのために必要なものを備えてくださるかたです。人
の生きる目的は、神の栄光をあらわすことにあります。神とともに生きる証し人は、
神の栄光を日常の生活の中であらわしているのです。
1.証し人の原動力
 ①聖霊が下る
聖霊は、イエス様の人格そのものです。弟子たちに聖霊が下ったとき、福音を伝えて
いくという使命にたちあがりました。そこには、弟子たちの内側における大きな変化
がありました。聖霊は、罪びとの私たちをその根本から変えてくださいます。人は、
時代や環境でその考えや生き方が影響されて変わっていくことがあります。聖霊によ
る新生は、それとはまったく違います。本質に変化があり、それは周囲の何ものに
よっても影響されない変化です。人が本来持っていない、キリストのご性質をうちに
いただくものとなるのです。
 ②力を受ける
この力は、自分のうちからでるものではありません。外からくるもの、神からくるも
のです。この力は、私たちに信仰を与え、勇気を与え、喜びを与え、耐える力を与え
てくれるのです。つまり、この力を感じるとき、それは自分にとって驚きであり、感
動なのです。なぜなら、私たちが、がんばってしぼりだしていくのようなものではな
く、まったく不思議に与えられるものだからです。
2.証し人の活動範囲
 ①まずエルサレム
イエス様のご命令がなければ、弟子たちはイエスに反対する人々がいるところには、
とどまらなかったことでしょう。ところが、イエス様は、全世界に出て行って福音を
のべ伝える出発点は、エルサレムからだといわれるのです。身近な人、一緒に過ごし
ている人、毎日会う人です。第一に証しされなければならない場所は、めったに会わ
ない人ではなく、毎日会う人です。私たちの証しは毎日のことです。
 ②地のはてまで
毎日の証しは、ちょうど水面に小石が投げ入れられてその波紋が広がっていくよう
に、地域を越え、国を越え、時を越え、時代を越えて伝えられていくのです。証しす
る側には、その働きのすべてが見えません。そのため、広がっていないように思い不
信仰をおこし、証しに力がなくなっていきます。神の働きは、目に見えなくても、人
知をはるかに越えて広がっていくのです。
    
生きた証し人は、日ごとに神の恵みを体験します。毎日の小さなできごとに感動し、
感謝し、神を見出し、生かされている喜びにあふれるのです。