聖  書:  出エジプト記12章31節~41節

(31) そこでパロは夜のうちにモーセとアロンを呼び寄せて言った、「あなたがたとイスラエルの人々は立って、わたしの民の中から出て行くがよい。そしてあなたがたの言うように、行って主に仕えなさい。
(32) あなたがたの言うように羊と牛とを取って行きなさい。また、わたしを祝福しなさい」。
(33) こうしてエジプトびとは民をせき立てて、すみやかに国を去らせようとした。彼らは「われわれはみな死ぬ」と思ったからである。
(34) 民はまだパン種を入れない練り粉を、こばちのまま着物に包んで肩に負った。
(35) そしてイスラエルの人々はモーセの言葉のようにして、エジプトびとから銀の飾り、金の飾り、また衣服を請い求めた。
(36) 主は民にエジプトびとの情を得させ、彼らの請い求めたものを与えさせられた。こうして彼らはエジプトびとのものを奪い取った。
(37) さて、イスラエルの人々はラメセスを出立してスコテに向かった。女と子供を除いて徒歩の男子は約六十万人であった。
(38) また多くの入り混じった群衆および羊、牛など非常に多くの家畜も彼らと共に上った。
(39) そして彼らはエジプトから携えて出た練り粉をもって、種入れぬパンの菓子を焼いた。まだパン種を入れていなかったからである。それは彼らがエジプトから追い出されて滞ることができず、また、何の食料をも整えていなかったからである。
(40) イスラエルの人々がエジプトに住んでいた間は、四百三十年であった。
(41) 四百三十年の終りとなって、ちょうどその日に、主の全軍はエジプトの国を出た。

 イスラエルの民は神が約束して下さった新たな地に向って出発しました。荻窪栄光教会も約束のみことばを信じ、新会堂を建てようとしています。イスラエルの民は新たなカナン地へ出発するため、今まで住んでいたエジプトから離れなければなりませんでした。荻窪栄光教会も新たな礼拝堂を建てるため、古い礼拝堂を取り壊さなければなりません。今年は建築の年、新会堂を準備する年です。そのことで今年は「準備」というテーマでメッセージをさせて頂きます。何か新しいことをするためには事前に準備が必要ですが、イスラエルの民はろくに引越しの準備すら出来ないままエジプトを出発しました。

1.突然の出発
 彼らが突然エジプトから出発したのはわけがあります。解放されるのはほとんど不可能ではないかと彼らは思って、出発の準備をしていませんでした。最初、モーセが40年ぶりエジプトに戻ってきた時、民は解放されることを期待しました。しかしパロが怒って仕事が逆に以前よりも二倍に増えました。エジプトに神の災いが下るときも期待しました。しかしパロの心は硬くなるばかりでした。九つの災いが下ったときは解放の期待が大きくなりましたが、パロは二度とモーセと顔を合わせないと宣言しました。イスラエルの解放は完全に不可能のように見えました。ところで十番目の災いの後、全てが変わりました。いきなりの出発です。引越しの準備はわずか何日間で、追い出されるかのようにして解放されました。神様の約束がある日突然成就されました。イスラエルの民は荷物を持たないまま急いでエジプトから離れました。

2.古から新へ切り替え
 彼らは新たな約束の地へ出発するとき、今まで使っていた古いものはほとんど残したまま、急いでエジプトから出て行きました。その反面彼らが約束の地へ持って行かなければならないものは何でしょうか。過ぎ越しの祭りの戒めでした。神はイスラエルの民に過ぎ越しの祭りを永遠に記憶し、それを守るように命じられました。イスラエルの歴史は過ぎ越しの祭りと救いから全てが始まりました。過ぎ越しの祭りは神とイスラエルを結ぶ命の絆でした。

 いよいよ、新会堂建築に向って出発しました。完成するまで何があるか分かりませんが、信仰の道に入ったときの初心を忘れないようにしましょう。