聖 書:ヘブル1:1~4

(1)神は、むかしは、預言者たちにより、いろいろな時に、いろいろな方法で、先祖たちに語られたが、
(2)この終りの時には、御子によって、わたしたちに語られたのである。神は御子を万物の相続者と定め、また、御子によって、もろもろの世界を造られた。
(3)御子は神の栄光の輝きであり、神の本質の真の姿であって、その力ある言葉をもって万物を保っておられる。そして罪のきよめのわざをなし終えてから、いと高き所にいます大能者の右に、座につかれたのである。
(4)御子は、その受け継がれた名が御使たちの名にまさっているので、彼らよりもすぐれた者となられた。

本年度はコロナウイルス拡大によってネット礼拝の形で始まった。説教計画は立てていたが、祈りつつ、今この時に必要な御言を開いてきた。私の本年度の説教計画は、毎月第一週は伝道的なメッセージを語り、他の週は5つのテーマから語り学んでいただくことを考えている(計画では6月21日から)。第一週は「イエス様を知る」というテーマが示されている。「私を誰というのか」とイエス様は今も私たち一人一人に問われている。今日は始まりであり総論を語る。

Ⅰ.イエス様の生涯を略述
キリスト教信仰の中心はイエス・キリストである。最短にまとめれば、約2千年前のパレスチナ、ガリラヤ地方のナザレ出身、30才まで大工として働き、公の活動を始める。約3年間弟子たちとユダヤ国内を巡りながら、神の国の到来を告げ、悔い改めを説き、病人を癒し、悪霊につかれた人を自由にし、旧来のユダヤ教の教えは無視するかのようであった。最大の戒めは神と人を愛することであり、敵をも愛せよと語る。自分は神であるかのように語り、宗教家たちからは危険な異端と目されて、十字架で処刑された。その生涯の頂点は十字架と復活にある。次回からは、この地上を歩まれたイエス様自身を細かく見ていきたい。

Ⅱ.イエス様を紹介する御言
聖書全体はイエス様を証言しているが、最短の紹介はここにある。へブル1:1~4は短いが、内容の深い重厚な文章である。公式HPの公式プロフィールであると感じる。ここではイエス様の地上の生涯だけでなく永遠の存在、働きを述べている。イエス様を7つの点から紹介する。①万物の相続者、②世界の創造者、③栄光の輝き、④神の本質の真の姿、⑤万物を保つ、⑥罪のきよめのわざ、⑦大能者の右の座につかれた。区分は難しいが全ての始まりは①、②である。現在の働きは⑤、⑥、⑦であり、永遠の未来につながるのは③、④と言える。イエス様を地上の生涯に限定しやすいが、過去、現在、未来全てに関わる御方である。現在を生きる私たちは⑤、⑥、⑦をどう受け止めるのかが問われる。

Ⅲ.イエス様が持たれる本質
イエス様が持っておられる根本的なご性質は、④神様そのものである御方、③神様としての輝きを持つ御方である。私たちは父なる神様を見ることはできないが、この世に遣わされた御子イエス様を通して神様の本当の姿を知る。イエス様の愛、慈しみ、寛容、忍耐、真実、…持っておられる全ての良きものは神様を表し、輝くばかりのものである。ここで使われる輝きという語は栄光と訳されることが多い。イエス様は神様の栄光を表しているが、栄光を分かち与えられる。イエス様を信じる者・個人(Ⅱコリント3:18)に、イエス様を信じる集合体・教会に(エペソ3:21)栄光が注がれる。

イエス様に神様の栄光の輝きを見出すなら、イエス様の栄光の輝きは自分にも映され、信じる者の集まりに栄光が輝く。神様の計画は永遠の栄光の輝きに向かう(黙示録21:22・23)。私たちに悩み、痛み、苦しみはあるが、永遠の栄光に与る喜びに生かされよう。