聖書箇所:エレミヤ1:4~13
1:4 次のような主のことばが私にあった。
1:5 「わたしは、あなたを胎内に形造る前からあなたを知り、あなたが母の胎を出る前からあなたを聖別し、国々への預言者と定めていた。」
1:6 私は言った。「ああ、神、主よ、ご覧ください。私はまだ若くて、どう語ってよいか分かりません。」
1:7 主は私に言われた。「まだ若い、と言うな。わたしがあなたを遣わすすべてのところへ行き、わたしがあなたに命じるすべてのことを語れ。
1:8 彼らの顔を恐れるな。わたしがあなたとともにいて、あなたを救い出すからだ。──主のことば。」
1:9 そのとき主は御手を伸ばし、私の口に触れられた。主は私に言われた。「見よ、わたしは、わたしのことばをあなたの口に与えた。
1:10 見なさい。わたしは今日、あなたを諸国の民と王国の上に任命する。引き抜き、引き倒し、滅ぼし、壊し、建て、また植えるために。」
1:11 主のことばが私にあった。「エレミヤ、あなたは何を見ているのか。」私は言った。「アーモンドの枝を見ています。」
1:12 すると主は私に言われた。「あなたの見たとおりだ。わたしは、わたしのことばを実現しようと見張っている。」
1:13 再び主のことばが私にあった。「あなたは何を見ているのか。」私は言った。「煮え立った釜を見ています。それは北からこちらに傾いています。」
今日は預言者エレミヤを神様が選ばれ、神様の働きに召し出す箇所が導かれてきた。エレミヤは時代が大きく移り変わっていく中で、神様に従い、神様の働きを担っていった。エレミヤは何と大変な時代を通らされたかと思うが、神様はエレミヤを支え、導かれ続けた。神様は確かに約束を果たされていったことを見る。
Ⅰ.エレミヤの背景
エレミヤ書は分裂王国時代、南王国ユダの最後の時代にあたる。統一王国はわずか3代の短い期間で、北王国イスラエル、南王国ユダに分裂する。旧約聖書を通して、小さなイスラエルは北のメソポタミア、南のエジプトという当時の超大国に左右された。北王国はイスラエル12部族中、10部族が属して領土も広かった。南王国ユダはユダ、ベニヤミンの2部族であったが、神殿のあるエルサレムが首都でありダビデからの血筋を誇っていた。
イスラエルは神の民であったが、残念なことに信仰は地に落ち、神様は顧みられなかった。神様は様々な方法でイスラエルを信仰に引き戻そうとされた。神の人、預言者の口を通してメッセージを送られた。エレミヤの時代には、神様から離れた北王国イスラエルはアッシリアに滅ぼされ、主な人々は連れて行かれた。残されたわずかな者たちも入植してきた外国人と交わりユダヤの純粋性は失われていた。エレミヤは北王国が滅亡した約100年後に南王国に預言者として立てられる。アッシリアはバビロニアに滅ぼされ、メソポタミアの支配は変化していた。南王国ユダもバビロニアの前に風前の灯だった。
Ⅱ.エレミヤの召し
この時代に若きエレミヤを神様は召された。恐らく20歳くらいであった。南王国ユダは国が立ち行くのか、立ち行かないのか、危機感を皆が持っていた。若きエレミヤも敏感に時代の空気を感じていた。Cf.以前から言われているが、日本では若者の40%は将来に希望を持てないでいると言われる。先進国と言われる国では若者の80~90%は将来に希望を感じている。この違いはどこから来るのか。日本は社会に閉塞感が漂い、若者の自己肯定感が低いと言われる。今の社会を築いてきた私たち上の世代の責任は大きい。 …エレミヤの時代の南王国ユダも若者たちが希望を持てなかった。
神様に声を掛けられたエレミヤは(6節)「私はまだ若くて、どう語ってよいか分かりません。」と尻込みした。神様ははっきりと語られた(7・8節)「主は私に言われた。『まだ若い、と言うな。わたしがあなたを遣わすすべてのところへ行き、わたしがあなたに命じるすべてのことを語れ。彼らの顔を恐れるな。わたしがあなたとともにいて、あなたを救い出すからだ。』」。神様が用いられる条件に年齢はない。経験、その他の要件もない。神様が命じられるなら全てを越える。エレミヤへの神様の命令はあなたを遣わすすべてのところへ行け、あなたに命じるしべてのことを語れ、彼らの顔を恐れるなであった。神様の約束は、わたしはあなたとともにいる、あなたを救うであった。神様の召しに年齢が関係ないとは、逆に年を重ねていてもと言える。モーセが神の山ホレブで燃え尽きない柴を見て、神様の声を聞いたのは80歳であった。
Ⅲ.エレミヤの支え
その後、エレミヤが見たのは(11節)「アーモンドの枝」であった。イスラエルで1,2月最初に花を咲かせるのはアーモンドの木である。エレミヤはこれから起こることを先に見せられていく。13節「煮え立った釜」が北から向かって来るのを見た。北のバビロニアが攻め寄せてくる災いが最初から表されている。
エレミヤは神様から示されて、南王国ユダの不信仰による神様からの裁きとして、国が滅びることを語らなければならなかった。偽預言者たちは王が気に入るような勝利や平安の偽りのメッセージを語った。エレミヤはバビロンには抵抗しないで、降伏してバビロンに引かれていくように語った。エレミヤは王や側近の怒りを買って殺されかけ、泥の穴に投げ込まれる。やがて、エレミヤはエルサレムの陥落を見ることになる。エレミヤは度々涙を流すが、国が滅ぼされ、民は捕らえられることを伝えることはどれ程の重荷だったかと思う。
エレミヤは50年以上神様に仕えたが、初めの日の神様からの召しがエレミヤを支えた。神様の約束は真実であり、果たし続けてくださることが分かる。
エレミヤは厳しい時代の中で、厳しいメッセージを語った。神様は裁きのみではなく回復と平安を与えるメッセージを授けられていた。29::11「わたし自身、あなたがたのために立てている計画をよく知っている 主のことば。それはわざわいではなく平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。」、31:3「主は遠くから私に現れた。永遠の愛をもって、わたしはあなたを愛した。それゆえ、わたしはあなたに真実の愛を尽くし続けた。」、31:33「これらの日の後に、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこうである 主のことば。わたしは、わたしの律法を彼らのただ中に置き、彼らの心にこれを書き記す。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。」
神様の愛、真実とあわれみによって私たちも保たれることを感謝しよう。
