聖 書:ヨシュア記 第1章 1~9節
1:1 主のしもべモーセが死んだ後、主はモーセの従者、ヌンの子ヨシュアに言われた、
1:2 「わたしのしもべモーセは死んだ。それゆえ、今あなたと、このすべての民とは、共に立って、このヨルダンを渡り、わたしがイスラエルの人々に与える地に行きなさい。
1:3 あなたがたが、足の裏で踏む所はみな、わたしがモーセに約束したように、あなたがたに与えるであろう。
1:4 あなたがたの領域は、荒野からレバノンに及び、また大川ユフラテからヘテびとの全地にわたり、日の入る方の大海に達するであろう。
1:5 あなたが生きながらえる日の間、あなたに当ることのできる者は、ひとりもないであろう。わたしは、モーセと共にいたように、あなたと共におるであろう。わたしはあなたを見放すことも、見捨ることもしない。
1:6 強く、また雄々しくあれ。あなたはこの民に、わたしが彼らに与えると、その先祖たちに誓った地を獲させなければならない。
1:7 ただ強く、また雄々しくあって、わたしのしもべモーセがあなたに命じた律法をことごとく守って行い、これを離れて右にも左にも曲ってはならない。それはすべてあなたが行くところで、勝利を得るためである。
1:8 この律法の書をあなたの口から離すことなく、昼も夜もそれを思い、そのうちにしるされていることを、ことごとく守って行わなければならない。そうするならば、あなたの道は栄え、あなたは勝利を得るであろう。
1:9 わたしはあなたに命じたではないか。強く、また雄々しくあれ。あなたがどこへ行くにも、あなたの神、主が共におられるゆえ、恐れてはならない、おののいてはならない」。

 教会が現会堂に移転したのは2016年4月でしたから、月日の経つのは早いもので3年が過ぎて、この地での教会生活も春から4年目になります。わたしたちはこの間、教会の目標とするビジョンを作成しました。完成したビジョンをいつも意識して取り組めるように週報や壁にも掲げ、毎月全員で祈る時を持っています。ビジョン実現に向けて暗中模索しながらも、人々が教会に行ってみたくなる工夫を凝らし、開拓者精神(パイオニア・スピリット)にもって何でも取り組んでいく年にしたい。

1.雄々しくあれ 強くあれ
 主のしもべモーセは出エジプトから荒野での40年間民を率いて、目的地カナンを目前にして使命を終えます(申命記34:5~6)。そのバトンを主が選んだ後継者ヨシュアに引き継がれます。数々の偉業を果たし人徳があり神に絶大に信頼されたモーセに比べ、実績もない若者に過ぎないヨシュアは引け目を感じても当然です。モーセ亡き後にヨシュアは二百万にも達したイスラエルの民をまとめて、先住民族が住む地を獲得せよと主からの命令に怖気づいたでしょう。神は弱気になる者を励まし慰め、臆病になるヨシュアと民たちに「雄々しくあれ 強くあれ」と何度も声をかけます(6,7,9節)。1章で神は新しいリーダーヨシュアと神の民に、カナン入植に先立って心に留めておくべき大切なことを申し渡します。それは神の約束と命令です。

2.神の約束(3節~5節)
 神はまずヨシュアに約束してくださいます。「あなたがたが、足の裏で踏む所はみな、わたしがモーセに約束したように、あなたがたに与えるであろう。」(3)。かつてヨシュアはモーセに命じられて、11人の各部族の斥候と一緒にカナン偵察に行きました(民数記13~14章)。その中でヨシュアとカレブだけが、カナンの地は主が約束された豊穣で入植するのにふさわしい理想郷だと意欲的です。しかしその他の十人は先住民の巨人アナク人に恐れをなして主の命に背きます。これら不信仰な人々はカナンに入れませんでした。ヨシュアとイスラエル民族は多くの敵と戦いますが神は「生きながらえる日の間、あなたに当ることのできる者は、ひとりもない」(5)と百戦百勝を約束されます。「あなたと共におるであろう。わたしはあなたを見放すことも、見捨てることもしない。」(5) 主は主の助けをあてにして主にすがろうとする者を離さず守り支えます。ヨシュアを励ました神はインマヌエル(神共にいます)なる神でした。18世紀のイングランド国教会の司祭で、きよめ派の源流メソジスト運動と呼ばれる信仰覚醒運動を指導した人物。ジョン・ウェスレーの最後の言葉は「最もすばらしいことは、神様が共にいてくださること」(Best of All, God is with us.)でした。確かにこれに勝る祝福はありません。

3.神の命令(7~8節)
 ヨシュアにとってモーセは師であり模範と仰ぐ指導者でした。若い時からモーセの側近の従者として神の山に行き(出24:13)、モーセが幕屋で神と語らうときは見張りをしました(出33:11)。当然ながら神がモーセに命じたことはヨシュアにとっても至上命令でした。それは7節のように神の律法を守り行うことでした。「律法をことごとく守って行い、これを離れて右にも左にも曲ってはならない。」それは「すべてあなたが行くところで、勝利を得るため」でした。その方法は①あなたの口から離すことなく、②昼も夜もそれを思い、③そのうちにしるされていることを、ことごとく守って行わなければならない。というスリーステップでした。命令を守る者を神は祝福されます。「そうするならば、あなたの道は栄え、あなたは勝利を得るであろう。」これは詩篇1:2にもある信仰の鉄則です。ここから一年を始めましょう。