聖 書:列王紀上19章9節~14節

(9) その所で彼はほら穴にはいって、そこに宿ったが、主の言葉が彼に臨んで,彼に言われた、「エリヤよ、あなたはここで何をしているのか」。(10) 彼は言った、「わたしは万軍の神、主のために非常に熱心でありました。イスラエルの人々はあなたの契約を捨て、あなたの祭壇をこわし、刀をもってあなたの預言者たちを殺したのです。ただわたしだけ残りましたが、彼らはわたしの命を取ろうとしています」。(11) 主は言われた、「出て、山の上で主の前に、立ちなさい」。その時主は通り過ぎられ、主の前に大きな強い風が吹き、山を裂き、岩を砕いた。しかし主は風の中におられなかった。風の後に地震があったが、地震の中にも主はおられなかった。(12) 地震の後に火があったが、火の中にも主はおられなかった。火の後に静かな細い声が聞えた。(13) エリヤはそれを聞いて顔を外套に包み、出てほら穴の口に立つと、彼に語る声が聞えた、「エリヤよ、あなたはここで何をしているのか」。(14) 彼は言った、「わたしは万軍の神、主のために非常に熱心でありました。イスラエルの人々はあなたの契約を捨て、あなたの祭壇をこわし、刀であなたの預言者たちを殺したからです。ただわたしだけ残りましたが、彼らはわたしの命を取ろうとしています」。

 現代人はストレスが多く、溜まりやすい時代に暮らしている。ストレスが多い理由は、①希望がない、②競争が激しい、③物質中心の時代なので心の貧しさがないからである。これらの理由で現代を暮らしている私達は誰でも、いつでも精神が弱くなる存在である。この事実を認めるのは恥ずかしいことではない。イエス様も計り知れないほどの精神的ストレスを受けた。神様に助けを求める時、心の問題は予防も、治療も出来る。体の健康の為には運動が必要だ。精神健康、霊的健康の為には何が必要なのか?大預言者であるエリヤはこれに関する全てのことを経験したので彼を見よう。
1.生きる力を失った神の大預言者
 彼にはストレスが溜まっていた。その種類を見ると、
1)いつ殺されるか分からない死のストレス
2)彼の隣りには頼りになる信仰の友達が一人もいない孤独のストレス
3)三年半、雨が降らなかったため貧困のストレス
だが、彼はこれらの試練があっても何とか我慢して希望を持って生きた。ところが望みがなくなった時、今まで溜まっていたあらゆる肉体、精神のストレスが一気に爆発してしまった。彼の力では回復出来ないほど、あまりにも疲れ果ててしまった。恐怖と失望が彼の心に押し寄せてきた。人間が精神的に疲れ果てた時いくつかの現象が表れる。①一人きりになりたがる。(19:3 しもべを残して)②逃げたくなる。(19:4荒野へ逃げる)③眠くなる(19:5,6)④死にたくなる。(19:4 今わたしの命を取って下さい)
エリヤは本当に深刻な状態に陥った。旧約の偉大な預言者エリヤが生きる力を失ってしまった。しかし、この瞬間、慈しみ深い神様は、肉体も精神もボロボロになっているエリヤを治療なさる。
2.神様の治療法
神様は疲れ果てているエリヤの肉体治療と精神治療を同時に行う。肉体の治療―食べもの、水、睡眠、精神・魂の治療―「静かな細い声」で聞いて下さる。一人ではない、新たな目標と仕事。
 今日は私達の魂を惑わせる雑音が多いうるさい時代だ。だから、私達は雑音が溢れているところからちょっと離れて、世のことは全然聞こえないところで神様の「静かな細い声」を聞く習慣を身につけよう。現代クリスチャンには現代の荒野、現代のアッパールームが必要だ。「みことばと祈り」と言う薬を使って私達の精神と魂を健康にするための静かな場所、静かな一時がどうしても必要だ。みことばと祈りは不安に陥っている私達の心理を治療出来る薬であり、同時に予防出来る薬だ。
 エリヤは生きるのが嫌で、あまりにも恐怖に溢れて、死ぬために荒野に逃げたが、慈しみ深い神様はその荒野で彼に生きる道、新しい希望の道を開いて下さった。私達の心がとっても疲れた時、「静かな細い神の声が聞える」聖書を開こう。