聖 書: ルカ22章14節~23節
(14) 時間になったので、イエスは食卓につかれ、使徒たちも共に席についた。(15) イエスは彼らに言われた、「わたしは苦しみを受ける前に、あなたがたとこの過越の食事をしようと、切に望んでいた。(16) あなたがたに言って置くが、神の国で過越が成就する時までは、わたしは二度と、この過越の食事をすることはない」。(17) そして杯を取り、感謝して言われた、「これを取って、互に分けて飲め。(18) あなたがたに言っておくが、今からのち神の国が来るまでは、わたしはぶどうの実から造ったものを、いっさい飲まない」。(19) またパンを取り、感謝してこれをさき、弟子たちに与えて言われた、「これは、あなたがたのために与えるわたしのからだである。わたしを記念するため、このように行いなさい」。(20) 食事ののち、杯も同じ様にして言われた、「この杯は、あなたがたのために流すわたしの血で立てられる新しい契約である。(21) しかし、そこに、わたしを裏切る者が、わたしと一緒に食卓に手を置いている。(22) 人の子は定められたとおりに、去って行く。しかし人の子を裏切るその人は、わざわいである」。(23) 弟子たちは、自分たちのうちだれが、そんな事をしようとしているのだろうと、互に論じはじめた。
去年から第5週がある月には契約のメッセージをさせて頂きました。5月は神とアブラハムの契約、7月は神とイスラエルのシナイ山契約、10月には神とダビデの契約をしました。今日は最後の時間でイエス様の十字架の血による新しい契約です。イエス様の十字架の契約によって以前の3つの契約は完成されました。今日の箇所を人々は「最後の晩餐」と呼びますが、実はイエス様の血による契約の晩餐です。
1.最後の晩餐の背景
私達が良く知っている最後の晩餐は実際には旧約の過越の祭でした。過越と言うのはイスラエルの民がエジプトの奴隷から解放されたことを記念する日です。解放される前日、夕暮れに神の指示に従って子羊をほふりました(出12:6)。その血を取り、子羊を食する家の入り口の二つの柱と、かもいにその血を塗りました。そして、その夜家族が集まって、長い旅の準備をしたままで、その子羊の肉を焼いて食べました(12:8-11)。そして、その次の日、エジプトを脱出しました。過越の祭はイスラエルの民が自由になった日です。
2.契約の内容:イエス様の体(パン)と血(ぶどう酒)
イエス様は過越の儀式をしながらパンとぶどう酒を分け与える儀式を全く新しく解釈しました。元々は旧約の出エジプトに関する説明をしなければならないところで、イエス様は新しい契約に関して語られました。パンは次の日に十字架で裂かれるご自身の体だと解釈し、血は次の日十字架で流すご自身の血だと解釈されました。イエス様は過越の儀式の途中、新たな契約を立てました。厳密に言えば新たな契約であり、昔の過越を成就する契約です。過越は旧約のイスラエルの民に身分の自由をもたらしましたが、イエス様の十字架の契約は全人類に霊的な救いの自由をもたらしました。
3.契約の完成
昔の契約は新たな契約によって更新されます。新しい契約を通して昔の契約は完成されます。十字架で今までの契約は全て完成です。これから人類は十字架の契約を通して救われます。他の救いの契約はありません。
4.神の契約と人間の裏切り
イエス様は血と体を引き裂いて契約を結んでいるのに、イスカリオテユダはその席で背信を覚悟しました。神との契約の席で人間の裏切りが同時に行われることが理解できますか。ところで、今日の箇所を含めて4つの契約のメッセージをしましたが、初めて分かったことがあります。それは4つの契約とも、契約の後人間の裏切りがあったことです。ところで、私達ももしかして弱い彼らと同じではないかと思います。聖日いくら大きな恵みに包まれても、恵みをその日忘れてしまうことが多いです。いくら大きな恵みを頂いてもその日が終わらないうちに忘れてしまいます。私達はとっても弱いです。神と約束はしてもその約束を守れません。しかし、神は恵み溢れる、慈しみ深いお方なので、イエス様の血の契約に基づいて私達を再び回復させて下さいます。その恵みがあまりにも大きいです。最初の恵みより、後の恵みの方がもっと大きいです。