聖  書:ネヘミヤ4:7~14、5:1-5

 4:7 ところがサンバラテ、トビヤ、アラビヤびと、アンモンびと、アシドドびとらは、エルサレムの城壁の修理が進展し、その破れ目もふさがり始めたと聞いて大いに怒り、 4:8 皆共に相はかり、エルサレムを攻めて、その中に混乱を起そうとした。 4:9 そこでわれわれは神に祈り、また日夜見張りを置いて彼らに備えた。 4:10 その時、ユダびとは言った、「荷を負う者の力は衰え、そのうえ、灰土がおびただしいので、われわれは城壁を築くことができない」。 4:11 またわれわれの敵は言った、「彼らの知らないうちに、また見ないうちに、彼らの中にはいりこんで彼らを殺し、その工事をやめさせよう」。 4:12 また彼らの近くに住んでいるユダヤ人たちはきて、十度もわれわれに言った、「彼らはその住んでいるすべての所からわれわれに攻め上るでしょう」と。 4:13 そこでわたしは民につるぎ、やりおよび弓を持たせ、城壁の後の低い所、すなわち空地にその家族にしたがって立たせた。 4:14 わたしは見めぐり、立って尊い人々、つかさたち、およびその他の民らに言った、「あなたがたは彼らを恐れてはならない。大いなる恐るべき主を覚え、あなたがたの兄弟、むすこ、娘、妻および家のために戦いなさい」。

[ 5 ]
  5:1 さて、ここに民がその妻と共に、その兄弟であるユダヤ人に向かって大いに叫び訴えることがあった。5:2 すなわち、ある人々は言った、「われわれはむすこ娘と共に大ぜいです。われわれは穀物を得て、食べて生きていかなければなりません」。 5:3 またある人々は言った、「われわれは飢えのために、穀物を得ようと田畑も、ぶどう畑も、家も抵当に入れています」。 5:4 ある人々は言った、「われわれは王の税金のために、われわれの田畑およびぶどう畑をもって金を借りました。 5:5 現にわれわれの肉はわれわれの兄弟の肉に等しく、われわれの子供も彼らの子供に等しいのに、見よ、われわれはむすこ娘を人の奴隷とするようにしいられています。われわれの娘のうちには、すでに人の奴隷になった者もありますが、われわれの田畑も、ぶどう畑も他人のものになっているので、われわれにはどうする力もありません」。

 

 
  ネヘミヤはユダヤ人でありながら権力の中心にいました。地位、お金、権力など、何一つ不自由なものがなかった彼が、どうして急に権力の座を捨てて、首都から離れ、わざわざ危険な地域であるエルサレムに行って、あらゆる苦労をしながら、エルサレム城壁を建てたのでしょうか。今日の題は城壁の再建ですが、それよりは、城壁再建前後の背景や妨害、内部事情などを中心にみたいと思います。

I.リーダーの模範
 1.犠牲の人:焼かれたまま放置されているエルサレムを再建するため、彼は数多くのものを犠牲にしました。
 2.知恵の人:内外の反対者の脅迫など、緊迫した状況の中で彼は毎日のように大事なことを判断しなければなりませんでしたが、神様がその都度知恵を与えて下さいました。
 3.勇気の人:彼を脅かして建築を中断させようとしたグループは内外にありましたが、彼は妨害者を退けられる勇気がありました。
 4.信仰の人:神様だけを頼りにして、切実に祝福を祈り求めました。

Ⅱ.外部の妨害者(4:7-14)
  建築を妨害した人は利害関係にある人々でした。彼らはユダヤ人に大きな影響力を発揮していました(4:12)。エルサレム城壁が完成され、ユダヤ人中心の町になると彼らの影響力は弱まります。彼らは利権を守るために必死に妨害しました。それはネヘミヤですら無視できないくらいの勢力でした。なぜなら彼らはエルサレムに住んでいる有力なユダヤ人と親戚関係だったからです(6:18)。エルサレムの内部情報も全部漏れていました(6:17、19)。妨害する方法も色々ありました。
 1.あざ笑い:「きつね一匹が上ってもくずれるであろう」(4:3)
 2.脅かし:「あなたは彼らの王になろうとしている」(6:6)
 3.騙し:「トビヤとサンバラテが彼を買収したためである。」(6:10-12)

Ⅲ.内部の妨害者(5:1-5)
 1.エルサレムに住んでいるユダヤ人の中に妨害者の一人であるトビヤと親戚関係の人がいました。それに加えて同盟関係を結んでいる人が多くいました(6:18)。買収された人もいました(6:12)。ネヘミヤはこの複雑な問題を何とかして解決しなければなりませんが、簡単ではありません。それでも解決できる人はネヘミヤしかいません。ネヘミヤは勇気を出して妨害者を退けました。
 2.貧富の格差
エルサレムに住むユダヤ人は最初から団結出来ない状況でした。その理由は貧富の格差です。人々の心が最初から分かれていました。ネヘミヤは5:6-13でこれらの問題を解決しました。利息をやめさせ、取っていた金銭、穀物、ぶどう酒、油などの百分の一を返し、言葉とおり行うよう誓いを立てさせるなどです。
私達の教会も建築中でありますが、ネヘミヤが経験した外部からの反対はほとんどありませんでした。神様の憐れみと助け、信徒の皆様の切実な祈りの故です。私たちは教会の内部も一致団結するように祈りました。建築が終わっても人々の心が分かれないように祈らなければなりません。