聖 書：イザヤ４０章２７～３１節
40:27 ヤコブよ、何ゆえあなたは、
「わが道は主に隠れている」と言うか。
イスラエルよ、何ゆえあなたは、
「わが訴えはわが神に顧みられない」と言うか。
40:28 あなたは知らなかったか、
あなたは聞かなかったか。
主はとこしえの神、地の果の創造者であって、
弱ることなく、また疲れることなく、
その知恵ははかりがたい。
40:29 弱った者には力を与え、
勢いのない者には強さを増し加えられる。
40:30 年若い者も弱り、かつ疲れ、
壮年の者も疲れはてて倒れる。
40:31 しかし主を待ち望む者は新たなる力を得、
わしのように翼をはって、のぼることができる。
走っても疲れることなく、
歩いても弱ることはない。
イザヤは「その頭は雲上に抜き出て、その足は地に堅く立ち、その心は永遠とつながり、その手と口は時代に向けられ、その霊は神のはかりごとと共にあり、その体は歴史の事件にかかわり合っていた」と評価されています。イザヤ書は66章。前半39章、後半27章、前半は旧約、後半は新約に合致します。後半の40章は「慰めよ、わが民を慰めよ」と言うメッセージで始まっています。
Ⅰ．民を励ます主を待ち望む＝地に平和
イザヤは前740年から690年まで約50年間活動しました。当時のイスラエルやユダは北はアッシリヤ、南はエジプトの脅威に悩まされていました。イスラエルは前722年アッシリヤによって滅ぼされ、やがてユダも前582年にバビロンによって滅ぼされてしまいます。民たちは「わが道は主に隠れている、わが訴えはわが神に顧みられない」と絶望のどん底に陥っています。そのような状況の中でイザヤはバビロン捕囚や救い主の誕生を預言しているのです。民たちに対しては「何ゆえにあなたは、何ゆえにあなたは」と民たちを励ましています。
Ⅱ．臨在される主を待ち望む＝天に栄光
イザヤは「あなたは知らなかったか、聞かなかったか」。?「主はとこしえの神」?「地の果ての創造者」?「弱ることなく」?「疲れることなく」?「知惠ははかりがたい」?「弱った者に力を与え」?「いきおいのない者には強さを増し加えられる」。聖書は「すべてのものは、これによってできた。できたもののうち、一つとしてこれによらないものはなかった。」（ヨハネ1:1-3）、「あらゆる良い贈り物、あらゆる完全な賜物は、上から、光の父から下って来る。父には、変化とか回転の影とかいうものはない。」（ヤコブ1:1-3）、「まず神の国と神の義とを求めなさい。そうすれば、これらのものは、すべて添えて与えられるであろう。」（マタイ6:33）と教えています
Ⅲ．再臨される主を待ち望む＝未来に希望
「待ち望む」とは文字通り「希望をもって待つこと」です。当時の人々はイスラエルが属国ではなく、独立国家の統治者としてのメシアを待望しました。イザヤは霊的なメシアの到来を待望するように預言しました。現在の私たちには再臨される主を待ち望むことが期待されています。そのような人には神は「鷲のように翼をはって、のぼることができる」と約束しておられます。鷲は上昇気流を捕らえることに長けた鳥です。悠然と空を飛ぶ鷲の姿は、聖霊気流に身を任せた私たちの姿を表しているようです。そうした信仰者は「走っても疲れることなく、歩いても弱ることはない」のです。
現代社会は平和な社会の到来を待望しています。私たちは栄光の主が常に臨在されることを待望しています。そしてさらに再臨の主を心から待ち望みます。今日、私たち一人一人を「主を待ち望む者」にして下さい。
