聖 書 使徒行伝2:1~4、37~47

(1)五旬節の日がきて、みんなの者が一緒に集まっていると、
(2)突然、激しい風が吹いてきたような音が天から起ってきて、一同がすわっていた家いっぱいに響きわたった。
(3)また、舌のようなものが、炎のように分れて現れ、ひとりびとりの上にとどまった。
(4)すると、一同は聖霊に満たされ、御霊が語らせるままに、いろいろの他国の言葉で語り出した。
本日は「聖霊降臨日(ペンテコステ)」記念礼拝です。この日は降誕節」、「復活節」と並ぶ三大祝日の一つです。復活されたイエス様は40日間その復活体を多くの人々に現された後、「エルサレムから離れないで、かねてわたしから聞いていた父の約束を待っているがよい。すなわち、ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは間もなく聖霊によって、バプテスマを授けられるであろう」(1:4)と言われて昇天されました。
(37)人々はこれを聞いて、強く心を刺され、ペテロやほかの使徒たちに、「兄弟たちよ、わたしたちは、どうしたらよいのでしょうか」と言った。
(38)すると、ペテロが答えた、「悔い改めなさい。そして、あなたがたひとりびとりが罪のゆるしを得るために、イエス・キリストの名によって、バプテスマを受けなさい。そうすれば、あなたがたは聖霊の賜物を受けるであろう。
(39)この約束は、われらの主なる神の召しにあずかるすべての者、すなわちあなたがたと、あなたがたの子らと、遠くの者一同とに、与えられているものである」。
(40)ペテロは、ほかになお多くの言葉であかしをなし、人々に「この曲った時代から救われよ」と言って勧めた。
(41)そこで、彼の勧めの言葉を受けいれた者たちは、バプテスマを受けたが、その日、仲間に加わったものが三千人ほどあった。
(42)そして一同はひたすら、使徒たちの教を守り、信徒の交わりをなし、共にパンをさき、祈をしていた。
(43)みんなの者におそれの念が生じ、多くの奇跡としるしとが、使徒たちによって、次々に行われた。
(44)信者たちはみな一緒にいて、いっさいの物を共有にし、
(45)資産や持ち物を売っては、必要に応じてみんなの者に分け与えた。
(46)そして日々心を一つにして、絶えず宮もうでをなし、家ではパンをさき、よろこびと、まごころとをもって、食事を共にし、
(47)神をさんびし、すべての人に好意を持たれていた。そして主は、救われる者を日々仲間に加えて下さったのである。

Ⅰ.聖霊降臨日の出来事 (2:1~4)

聖霊はイエス様の昇天後10日目に降りました。その日は丁度五旬節(七週の祭・過越祭から数えて50日目)でしたので、「50日目」という意味の「ペンテコステ」とも呼ばれます。その日には二階座敷に弟子たちなど120名ばかりが集まり、心を合わせてひたすら祈っていました。その中には特に母マリヤも一緒でした。その時、「突然、激しい風が吹いてきたような音が天から起こってきて、一同が座っていた家いっぱいに響きわたった。また、舌のようなものが、炎のように分かれて現れ、ひとりひとりの上にとどまった」のです。この状態は私たち人間には十分に理解することは困難です。ただ超自然的な神の力が働いたと言うことは確かです。その結果、一同は聖霊に満たされ、人々は他国語で語り出したのです。

Ⅱ.最初の教会の誕生(2:37~41)
御霊に満たされたペテロは「聖霊降臨はヨエルの預言の成就、イエスの死は神の定めた計画と予知とによる、イエスの復活はダビデの詩篇(16篇)の成就、そして、わたしたちは皆その証人である」と説教しました。 それを聞いた人々は、「強く心を刺され、・・わたしたちは、どうしたらよいのでしょうか」と尋ねますと、ペテロは「悔い改めなさい。そして、あなたがたひとりびとりが罪のゆるしを得るために・・バプテスマを受けなさい。そうすれば、あなたがたは聖霊の賜物を受けるであろう。」と勧めました。すると人々はペテロの勧めの言葉を受けいれ、バプテスマを受け、仲間に加わりました。その数は三千人にも及びました。この人たちが最初の信者となってエルサレム教会が誕生したのです。

Ⅲ.エルサレム教会の働き (42~47)
最初の教会の信仰状態は概略は次のようにまとめることができます。
①使徒たちの教えを守り ②信徒の交わりをなし ③共にパンをさき ④祈りをし ⑤神を畏れる念が生じ ⑥多くの奇跡としるしが行われ ⑦愛の共同体が生まれ ⑧宮詣をし⑨家庭礼拝が献げられ ⑩すべての人に好意を持たれ ⑪救われる者を日々加えられました。何という素晴らしい聖霊の働きではないでしょうか。これらのすべての働きが現代の教会に適応できるかというと、そうではない部分もありますが、私たちが継承すべき事は形や組織ではなく、その内的スピリットにあることを認めることが重要なのです。教会は120名から始まり、3,000人となり、男だけで5,000人(4:4)となり、やがて数万人(21:20)と成長して行きました。それは数的面だけでなく、質的面においても、神の言葉が広まり、弟子の数が増えていき、祭司たちも多数信仰を受けいれるようになりました。(6:7)

教会の成長は、「量的成長、質的成長、機能的成長」の三つの成長が伴ってはじめて健全な教会となるのです。