聖書:雅歌4:7聖書各巻緒論(22)

わが愛する者よ。あなたのすべては美しく、あなたには何の汚れもない。
(雅歌4:7)

聖書各巻の緒論として雅歌を開く。雅歌は英語ではSongofsongs歌の中の歌と題される。44番「ハレルヤ」のKingofkingsandLordoflords主の主、諸王の王を思い出す。ソロモン作とされる(列王第一4:32「彼の歌は千五首もあった。」)。箴言、伝道の書、雅歌はソロモン三部作と呼んでよい。ある婦人からどうしてこのような書が聖書にあるのかと問われた。ユダヤ人社会では30才以下では読めなかったと言われる。男女間の愛のストレートな表現と読めるがその意味を考えよう。

Ⅰ.主の愛が語られる
バックストン師の雅歌霊的講解は深い。その総論に、「聖書の中、ことに雅歌に、神様の愛が現れています。雅歌を通して、私たちは神と美しい愛の交わりのできる道を教えられます。」「聖霊の感化によって、聖霊がこの御言葉を用いることによって、新郎である主イエスの愛を知り、この主に対して新婦の愛をもって生涯を送りたいと思います。主イエスと霊的な結婚という新しい関係をもち、キリストにとどまり、キリストが絶えず私たちの内にいてくださることを願います。」とある。ヨハネ3:29「花嫁を迎えるのは花婿です。そばに立って花婿が語ることに耳を傾けている友人は、花婿の声を聞いて大いに喜びます。ですから、私もその喜びに満ちあふれています。」とある。花婿は花嫁を愛し呼びかける。イエス様の私たちへの呼びかけである。雅歌の表現は男女間の直接的なものだが、内容はイエス様と私たちとの間の愛の交わりを示している。

Ⅱ.主の美しさに生きる
バックストン師は4章の主題を「キリストに似ること」とされている。「主が私たちに恵みを与えてくださる目的は何でしょうか。それは、私たちをご自分のかたちとするためです。ただ私たちの罪を赦すだけではなく、私たちに幸いと天国を与えるだけでなく、私たちをご自分のかたちとして、真に全き者としたいとも願っておられます。」とある。4:1~5には愛する者への7つの美点が語られる。1節「鳩の目」おとなしい、柔和、愛。「髪」表にあらわれる生涯。2節美しく揃った「歯」固い食物を食する。3節「唇」愛ある言葉を語る。「頬」魂の健康。4節「首」意志の強さ。5節「乳房」母性、養わせるもの。4:7が結論である「わが愛する者よ。あなたのすべては美しく、あなたには何の汚れもない。」。イエス様はここに至るまで私たちを導かれる。義認、聖化、栄化への道筋である。

Ⅲ.主の力に生きる
バックストン師は昔の軍隊には3つのグループがあったという。一つは陣地を守り補給を担当する後方部隊、歩兵として歩いて戦う部隊、戦車(馬車:チャリオット)に乗って戦う機動部隊である。6:12「気づいたら、私は民の高貴な人の車に乗せられていました。」との言葉は戦車に乗って戦う者を表している。聖霊の火と力によって聖くせられ、強められた信仰者の姿であると言われる。主の働きのために雄々しく戦うことのできる者とされるのである。

主は私たちを聖い主の愛、汚れない主の美しさだけではなく、主の力強さに導く。