聖 書 詩篇84:1~12
この詩篇は、ダビデ王がアブサロムの反逆によって都落ちし、ヨルダンの彼方に逃げたとき、王と一緒にコラの子が、遠く離れた神様に願いを馳せ、そこに臨在された神を思い起こしながら歌ったものと言われています。その内容は、「シオンをたたえる歌であり、神に仕える者の幸いを歌っています。
今日は、ここからキリスト者の三つの幸いについて学んで参りましょう。
1.神の家に住み、奉仕する者のさいわい(1~4)
「あなたの家に住み、常にあなたをほめたたえる人はさいわいです」(4)旧約において、神殿は、神の存在を意義づけていました(エレミヤ7:3)。「すずめがすみかを得、つばめが・・・巣を得るように・・・祭壇のかたわらに我がすまいを得させてください」(3)ここから、キリスト者にとって祭壇のある信仰生活がいかに大切であるか、三つの祭壇を連想させられます。 
(1)献身の祭壇と祈祷の祭壇
献身の祭壇とは、「はん祭の祭壇」(出27:1~)であり、祈祷の祭壇とは、「香の祭壇」(出30:1~)です。「火は絶えず祭壇の上に燃え続かせ、これを消してはならない。」(レビ6:13)
(2)安息と癒しの祭壇
私たちクリスチャンの安住の場所は、十字架の祭壇のもとであり、そこにこそ、真の安心と癒しがあるのです。「私のもとに来なさい。あなたがたを休ませてあげよう。」(マタイ11:28)
2.シオンに旅する者のさいわい(5~9)
「その力があなたにあり、その心がシオンの大路にある人はさいわいです。」(5)神殿に詣でるために旅する巡礼者へのさいわいを思いおこしています。長途の旅にもかかわらず、益々力が与えられ、喜びあふれ、シオンを目指して歩みつづけ、やがて神殿に到り、礼拝の恵みにあずかるのです。私たちクリスチャンの人生も、“天のシオン”を目指し行く巡礼者であり、常に心がシオンの大路にある者はさいわいなのです。神はその道中、いかなる涙の谷も、泉あるところとし、祝福で覆い導いてくださるのです。
3.神に信頼する者のさいわい(10~12)
「万軍の主よ、あなたに信頼する人はさいわいです」(12)
詩人は礼拝の充足感で「あなたの大庭で過ごす一日は、千日にもまさる恵みです」(10b)(新共同訳) と告白しています。“神の恵みの中で過ごす一日は、恵みのない所で過ごす千日にもまさる”との実感を吐露したもので、私たちも神に仕え、奉仕し、信頼して生きることのすばらしさを覚えつつ、満ち足りた日々を重ねてまいりましょう。
神を信頼して生きる者には、この世にては“恵み”、やがて天にては“栄光”をお与え下さるのです。
私たちは主を慕い、主に全き信頼をおき、献身、祈祷の信仰生涯を喜び、歌いつつ“天のシオン”を目指して歩みつづけてまいりましょう。