金  言 『イエスは彼に言われた、「わたしは道であり、真理であり、命である。だれでもわたしによらないでは、父のみもとに行くことはできない。」』(ヨハネ14:6)

「分け登る麓の道は多けれど、同じ高嶺の月を見るかな」という和歌の意味は、宗教の道はいろいろ違う道があっても、最終的に到達するのは結局同じ場所ですと語っています。世界にはキリスト教、イスラム教、仏教の三大宗教の他にも、多種多様な土着の宗教や新興宗教があります。それらのすべての宗教の入り口は違っても、最終的には同じ救いに至るというのです。この和歌が読まれた昔から、多くの日本人の宗教観は、その人が何を信じようがひとさまに迷惑をかけるようなことをしないで、まじめに生きて信じているなら信じる人の自由だと考えます。そしてほとんどの宗教はなにか良い点はあるのだから、どの宗教でも信じた人は最後にはみな天国に導いてくれると考えます。

1.わたしは道である
 今日のメッセージは「人生の正道」という題です。せいどうとは耳慣れない言葉ですが反対語は邪道です。人間はどのようにした道理にかなった正しい道を知ることができると考えますか。主イエスはヨハネ14:6で「わたしは道である」と宣言され、ご自身が天に至る道であると言われました。主イエスはその道を示されるだけではありません。ご自身が救いの道そのものなのです。前出の和歌のように主イエスは多くある道の一つにすぎない、というわけではありません。イエスは唯一の道なのです。イエスを通してでなければ、だれひとり父(なる神)のもとに行くことはできません。主イエスはなぜ信仰のみの救いを説かれたのでしょう。理由は私たちの罪のためです。人間の罪は自分で想像する以上に根強くとても深いのです。すでに犯してしまった罪を神に償うことも、これからも犯すだろう罪を未然に防ぐことも自分の力では到底できません。この罪の問題ゆえに聖く正しい神と罪に汚れた人間の間には超えることのできない果てしなく深い淵があります。人は自分の罪の解決なくしては決して神に至る聖い道を一歩も先には進めません。しかし感謝なことに、すべての人が救われる道、大人から子供まで、善人か悪人を問わずして誰もが救われる道つまり「信仰のみによる道」が備えられました。聖書は「主の御名を呼び求める者は、すべて救われる」(ローマ10:13)と約束しています。あなたはただ神に救いを呼び求めるだけで、イエスという天につづく道は開かれています。

2.わたしは真理である
 国立国会図書館の設立理念は「真理が我らを自由にする」だそうですが、この言葉は新約聖書の「そして真理は、あなたがたに自由を得させるであろう」(ヨハネ8:32)のみことばに由来するそうです。真理とは いつどんなときにも変わることのない、正しい物事の筋道のことです。主イエスは単に真理を教えるお方ではありません。イエスご自身が真理なのです。ところで振込め詐欺に騙される人が後を絶ちません。私たちは常日頃から誤った情報やデマを嫌い、うそや詐欺に騙されないように警戒し、偽物をつかまないように用心します。ですがそれに比べて人が生きるために大切な真理を知ろうとする人は多くはいません。騙されて偽物をつかんだときはたしかに腹が立ちますが、とりかえしのつかないほどではありません。しかし真理を知らずに年老いてしまったら人生のやり直しは出来ません。あなたが神を知り真理に生きることは一度限りの人生を悔いのない価値あるものに変えます。その選択はあなたの永遠の時までも左右します。

3.わたしは命である
 イエス・キリストは命です。第一にイエスを信じる者の人生を豊かに保つ霊的ないのちです。イエスは「人はパンだけで生きるものではなく、神の口から出る一つ一つの言で生きるものである」と言われました。人間はカラダ、心、霊魂の要素で構成されています。カラダが食物や運動で成長するように心と霊魂も豊かに養われなければなりません。肉体を維持する命と同時に、なくてはならないものは私たちの霊を生かすいのちです。私たちが「まことのいのち」を得るために、イエスは人となり人に代わって罪の身代わりとして十字架につかれ三日後によみがえりました。第二はイエスを信じる者に約束された永遠のいのちです。結論から言えば、神に到達する道というものは多種多様ではありません。神に至るのに避けて通ることができない罪の問題を、完璧に解決されたイエスだけが唯一の道なのです。それは真理の道であり命の道でもあるのです。どうかイエスを信じてあなたを生かすための人生の正道を迷わず歩き始めてください。

【今日の祈り】
神様、あなたのひとり子イエス・キリストが、私たちの人生の道となられたことを感謝します。主イエスは罪ある私たちを十字架の死と復活によって救いあげ真理に導いてくだいます。この救いを信じる人はキリストにある新しい命を与えられ、死を越えて永遠に続く栄光の命を与えてくださるというお約束を今信じます。