聖  書:  出エジプト15:22~26,16:11~20

(22) さて、モーセはイスラエルを紅海から旅立たせた。彼らはシュルの荒野に入り、三日のあいだ荒野を歩いたが、水を得なかった。(23) 彼らはメラに着いたが、メラの水は苦くて飲むことができなかった。それで、その所の名はメラと呼ばれた。(24) ときに、民はモーセにつぶやいて言った、「わたしたちは何を飲むのですか」。(25) モーセは主に叫んだ。主は彼に一本の木を示されたので、それを水に投げ入れると、水は甘くなった。その所で主は民のために定めと、おきてを立てられ、彼らを試みて、(26) 言われた、「あなたが、もしあなたの神、主の声に良く聞き従い、その目に正しいと見られることを行い、その戒めに耳を傾け、すべての定めを守るならば、わたしは、かつてエジプトびとに下した病を一つもあなたに下さないであろう。わたしは主であって、あなたをいやすものである」。

(11) 主はモーセに言われた、(12) 「わたしはイスラエルの人々のつぶやきを聞いた。彼らに言いなさい、『あなたがたは夕には肉を食べ、朝にはパンに飽き足りるであろう。そうしてわたしがあなたがたの神、主であることを知るであろう』と」。(13) 夕べになると、うずらが飛んできて宿営をおおった。また、朝になると、宿営の周囲に露が降りた。(14) その降りた露がかわくと、荒野の面には、薄いうろこのようなものがあり、ちょうど地に結ぶ薄い霜のようであった。(15) イスラエルの人々はそれを見て互に言った、「これはなんであろう」。彼らはそれがなんであるのか知らなかったからである。モーセは彼らに言った、「これは主があなたがたの食物として賜わるパンである。(16) 主が命じられるのはこうである、『あなたがたは、おのおのその食べるところに従ってそれを集め、あなたがたの人数に従って、ひとり一オメルずつ、おのおのその天幕におるもののためにそれを取りなさい』と」。(17) イスラエルの人々はそのようにして、ある者は多く、ある者は少なく集めた。(18) しかし、オメルでそれを計ってみると、多く集めた者にも余らず、少なく集めた者にも不足しなかった。おのおのその食べるところに従って集めていた。(19) モーセは彼らに言った、「だれも朝までそれを残しておいてはならない」。(20) しかし彼らはモーセに聞き従わないで、ある者は朝までそれを残しておいたが、虫がついて臭くなった。モーセは彼らにむかって怒った。

イスラエルの民は荒野で、のどが渇き、お腹が空いて、いらいらしていました。何を飲もうか、何を食べようかとつぶやきました。イスラエルの民は追い出されるかのようにしてエジプトから出てきました。ですから食べるもの、飲むもの、着るものなどほとんど準備していませんでした。荒野に入ってから水は三日目に問題になりました。食べ物は一ヶ月目になって問題になりました。エジプトから出てきたばかりの十五章二十一節までは、まさに感動と感激に満たされ、賛美と喜びでいっぱいでした。しかし、感動と感激はすぐ終わり、現実は非常に厳しいものでした。エジプトとカナンの間には荒野があります。彼らはその荒野を通過しなければなりません。飲む水と食べるパンがない荒野でどうすれば良いでしょうか。

1何を飲もうか。
民はまず、何を飲むかのことでつぶやきました。荒野に入って三日間歩きましたが、水がありませんでした。メラでやっと水を発見しましたが、飲めないものでした。民はつぶやきました。それをモーセが聞いて神に祈りました。その祈りを聞いて神は水を与えてくださいました。
イスラエルの民は水がない荒野で信仰の訓練を受けました。主の声に聞き従う訓練、神の戒めに耳を傾け、すべての定めを守る訓練です。イスラエルの民のように私たちも悪い習性を持っているので、生活の中で訓練を受けています。厳しい現実の中でも神からの恵みを忘れず、神を信頼し、祈り求める訓練が今週も続きます。何を飲むかとつぶやく私たちにイエス様は永遠の水を与えてくださいました。
イエス・キリストが私達に与えてくださる水を飲みますと私達の魂は永遠に乾くことはありません。イエス・キリストは十字架の上でのどが渇きました。しかし最後まで神を信頼しました。その恵みによって私達は救われ、魂の渇きが無くなりました。イエス様の渇きの代わりに私達の魂の渇きが無くなりました。

2何を食べようか。
彼らがつぶやいたもう一つのことは何を食べようかでした。内容は何を飲もうかと似ています。人間にとって食べ物は本当に大事です。大事な食べ物を誰が与えてくださいますか。神が与えて下さいます。神を最後まで信じなければなりません。イエス様がその模範を見せて下さいました。マタイ四章でイエス様は四十日間断食されました。イエス様はイスラエルの民を代表して、もう一度イスラエルの民と同じ状況におかれました。人間の体力では耐えられないくらいお腹が空いていました。その時、サタンが誘惑しました。あなたが神の子なら石からパンに変化させ、それを食べなさいという内容でした。イエス様は奇跡ではなく、最後まで神を信頼し、従うことで神の子であることを証明されました。そして、私達に大事な真理を教えてくださいました。「人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによる。」お腹が空くと私達は我慢できません。こんな弱い私達のために主は代わりにお腹が空きました。その恵みによって代わりに私達は救われました。

神は荒野でイスラエルの民を訓練されました。神の民として相応しい生活が出来るように訓練されました。その訓練のために神が最初用いられたのが飲み物と食べ物でした。飲み物と食べ物は一日も欠かせないものです。一日も欠かせないものなので、絶対的なものです。神が大事なのか、食べ物・飲み物が大事なのかと混乱するくらい絶対的なものです。厳しい現実の前で信仰が問われるとき、「人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによる。」と信仰を告白したいです。