聖書:ヨシュア1:4~18

1:4 あなたがたの領土は荒野からあのレバノン、そしてあの大河ユーフラテス川まで、ヒッタイト人の全土、日の入る方の大海までとなる。
1:5 あなたの一生の間、だれ一人としてあなたの前に立ちはだかる者はいない。わたしはモーセとともにいたように、あなたとともにいる。わたしはあなたを見放さず、あなたを見捨てない。
1:6 強くあれ。雄々しくあれ。あなたはわたしが父祖たちに与えると誓った地を、この民に受け継がせなければならないからだ。
1:7 ただ強くあれ。雄々しくあれ。わたしのしもべモーセがあなたに命じた律法のすべてを守り行うためである。これを離れて、右にも左にもそれてはならない。あなたが行くところどこででも、あなたが栄えるためである。
1:8 このみおしえの書をあなたの口から離さず、昼も夜もそれを口ずさめ。そのうちに記されていることすべてを守り行うためである。そのとき、あなたは自分がすることで繁栄し、そのとき、あなたは栄えるからである。
1:9 わたしはあなたに命じたではないか。強くあれ。雄々しくあれ。恐れてはならない。おののいてはならない。あなたが行くところどこででも、あなたの神、主があなたとともにおられるのだから。」
1:10 ヨシュアは民のつかさたちに命じた。
1:11 「宿営の中を巡って、民に命じなさい。『食糧を準備しなさい。三日のうちに、あなたがたはこのヨルダン川を渡るからだ。あなたがたの神、主があなたがたに与えて所有させようとしておられる地を占領するために、あなたがたは進むのだ。』」
1:12 その一方で、ルベン人、ガド人、およびマナセの半部族にヨシュアは言った。
1:13 「主のしもべモーセがあなたがたに命じて、『あなたがたの神、主はあなたがたに安息を与え、この地を与えようとしておられる』と言ったことばを思い出しなさい。
1:14 あなたがたの妻子たちと家畜は、モーセがあなたがたに与えた、このヨルダンの川向こうにとどまりなさい。しかし、あなたがた勇士はみな、隊列を組み、あなたがたの兄弟たちより先に渡って行って、彼らを助けなければならない。
1:15 主があなたがたの兄弟たちにも、あなたがたと同様に安息を与え、彼らもあなたがたの神、主が与えようとしておられる地を所有したら、あなたがたは主のしもべモーセがあなたがたに与えた、このヨルダンの川向こう、日の出る方にある自分たちの所有の地に帰り、それを所有することができる。」
1:16 彼らはヨシュアに答えた。「あなたが私たちに命じたことは、何でも行います。あなたが遣わすところには、どこでも参ります。
1:17 私たちは、あらゆる点でモーセに聞き従ったように、あなたに聞き従います。どうかあなたの神、主が、モーセとともにおられたように、あなたとともにおられますように。
1:18 あなたの命令に逆らい、あなたが私たちに命じることばに聞き従わない者はみな、殺されなければなりません。あなたは、ただ強く雄々しくあってください。」

先週は復活日・イースターを迎え、新しい歩みが始まり感謝。新年度に当たって、本年度の教団旧約聖句・ヨシュア1:9の聖書箇所より語る。

Ⅰ.ヨルダン川を越える
神様はエジプトの地で400年間の寄留生活を送ったイスラエルの民を約束の地、カナンンの地へと導き出そうとされた。モーセを指導者として立て、圧制者ファラオの元から解放され、イスラエルの民は先祖アブラハムの地を目指した。しかし、度重なる民の不信仰、反逆によって40年間荒野に留められ、ヨシュアとカレブ以外の初代の民は荒野でしかばねをさらすことになった。モーセも2度杖で岩を打ったメリバの水のできごと(民数20:12)によって約束の地に入れず、次の指導者ヨシュアに働きは受け継がれた。出エジプトの際の葦の海(紅海)を越えることは神様の側の力強い導きであった。カナンの地を目指してヨルダン川を越えることは人間の側の信仰の応答が必要であった。

Ⅱ.強さを持って越える
荒野でのイスラエルの民は、水や食料を始めとして様々な事柄に不平不満を持ち、カナンの地へと導き出そうとされている神様の御心さえも疑う有様だった。40年間という長い時間が必要であったが、疑いや不信仰からイスラエルの民は抜け出ることができた。荒野で生まれた次の世代の民に移ったことによる。人間は生まれ育った環境に適応していく者でもあるが、神様はその時代を見越して人を備えられている。私たちはそれぞれの時代に召されて生きる者である。良い、悪い、好む、好まざるは関係ない。彼らを待ち構えているのは、ヨルダン川を越えるにも困難がある。好戦的なカナン7部族が待っている。エリコを始め堅固な町がある。しかし、それらをも恐れずに進む民が備えられていた。ここで、指導者ヨシュアが民を励ましたのではなく、民がヨシュアを励ましている。

Ⅲ.一致を持って越える
民数記32章にはルベン族、ガド族、マナセの半部族がヨルダン川を越えずにヨルダン川東岸を所有することを願ったことを記している。モーセがこれを許しているが、彼らは他の部族がヨルダン川を越える時には、一緒にヨルダン川を越えて戦うことを約束していた。既に約束はあったと言え、2部族半の成人男性はヨシュアに付き従い、武装してヨルダン川を越えていく。そこに目的を遂行していくという明らかな一致があった。荒野の40年間は自分勝手に考え、行動するようなばらばらの印象があるがイスラエル12部族にはこの時に一致があった。

荒野の40年間を越えて、イスラエルの民はカナンを勝ち取るために戦いに出て行く。困難な戦いであろうが神様が導かれ、備えられ、信仰と一致を持ってイスラエルの民は、敵する民に向かっていった。勝利を収め、安住の地とすることができた。私たちも今の戦いがある。コロナ禍は続いており、ウクライナの戦争終結を願うが、国際情勢は不安定であり、自然災害も起こってきている。この時代に召されている私たちは信仰と一致を持って良き戦いを戦い、神様の約束の地を得よう。