聖 書 ルカ２３：３２～３８
32：さて、イエスと共に刑を受けるために、ほかにふたりの犯罪人も引かれていった。
33：されこうべと呼ばれている所に着くと、人々はそこでイエスを十字架につけ、犯罪人たちも、ひとりは右に、ひとりは左に、十字架につけた。
34：そのとき、イエスは言われた、「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです」。人々はイエスの着物をくじ引きで分け合った。
35：民衆は立って見ていた。役人たちもあざ笑って言った、「彼は他人を救った。もし彼が神のキリスト、選ばれた者であるなら、自分自身を救うがよい」。
36：兵卒どももイエスをののしり、近寄ってきて酢いぶどう酒をさし出して言った、
37：「あなたがユダヤ人の王なら、自分を救いなさい」。
38：イエスの上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札がかけてあった。
金 言
「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです」。（ルカ23：34）
主イエス・キリストは、十字架につけられた時に、「父よ、彼らをおゆるしください」と祈られました。その後、主イエスを信じた犯罪人に向かって、「よく言っておくが、あなたはきょう、わたしと一緒にパラダイスにいるであろう」（43）と、天国へ入る約束をされたのです。
１，「父よ」
主イエスは、「父よ」といつもと祈っておられました。それは、主イエスが神の子であるからです。主イエスは、神の御心のままに生き、従い続けた生涯を送られました。神は、ご自分の子の命を犠牲にして、わたしたちの罪を赦すことをされたのです。神と人との間に入ることのできるお方は、神の子であり、罪を犯したことのない主イエス・キリストだけです。「神は唯一であり、神と人との間の仲保者もただひとりであって、それは人なるキリスト・イエスである」（Ⅱテモテ2:5）。
わたしたちが、どこまても、主イエス・キリストを信頼できるのは、「父よ」と、どこまでも、わたしたちを見捨てないで、とりなし、祈ってくださるからです。「だれが、わたしたちを罪に定めるのか。キリスト・イエスは、死んで、否、よみがえって、神の右に座し、また、わたしたちのためにとりなして下さるのである」(ローマ8：34)。
２，「彼らを」
「罪を犯すこと」とは、神に対して「何をしているのか、わからずにいる」ことです。つまり、「罪の自覚がない」ということです。
一週間前には、人々は「ダビデの子に、ホサナ、主の御名によってきたる者に祝福あれ」（マタイ21:8）と、大歓迎していたのです。その彼らの心は、今は、氷のように冷たく堅くなってしまったのです。みんな、一緒になって、「彼は他人を救った。もし彼が神のキリスト、選ばれた者であるなら、自分自身を救うがよい」(35)と、あざ笑っているのです。この人々の中に、あなたが入っているのです。
「『キリスト・イエスは、罪人を救うためにこの世にきて下さった』という言葉は、確実で、そのまま受けいれるに足るものである。わたしは、その罪人のかしらなのである」(Ⅰテモテ1：15)。
３，「おゆるしください」 今、「神の赦し」があるということは、なんという慰めでしょう。神は、罪をさばくお方です。罪をごまかしたり、いいかげんに扱うことはできません。しかし、その神が、罪を赦してくださるのです。罪を赦すためには、罪はさばかれなければなりません。
神は、罪人をさばくかわり、主イエス・キリストを身代わりとしてさばくことをされたのです。「さらに、わたしたちが罪に死に、義に生きるために、十字架にかかって、わたしたちの罪をご自分の身に負われた。その傷によって、あなたがたは、いやされたのである」（Ⅰペテロ2:24）。
今、主イエス・キリストの十字架の身代わりの死による赦しがある以上、わたしたたちの罪は赦されるのです。神は、罪を赦してくださるのです。そのために、主イエス・キリストは十字架で死ぬ道を歩み続けたので。
主イエスのこの祈りと、十字架の死を、信じないで無駄にしてしまうならば、自分の人生を無駄にすることであり、天国を失うことになってしまいます。
主イエスから天国への約束をいただいた犯罪人と同じように、「わたしを思い出してください」(42)と祈ろうではありませんか。
