聖 書  ヘブル人への手紙13章5~6節
5 金銭を愛することをしないで、自分の持っているもので満足しなさい。主は、「わたしは、決してあなたを離れず、あなたを捨てない」と言われた。
6 だから、わたしたちは、はばからずに言おう、

「主はわたしの助け主である。 わたしには恐れはない。 人は、わたしに何ができようか」。

金 言
主は、「わたしは、決してあなたを離れず、あなたを捨てない」と言われた。 (ヘブル13:5b)

子ども、特に幼児が特定の人形や玩具や離さず持ち続けてそれに執着することで安心感を得ていることがあります。それを「ライナスの毛布」というのだそうです。漫画のスヌーピーには毛布が離せないライナスという男の子が出てきますが、そこからそう呼ばれるようになったそうです。幼児が特別な物に執着するのは、いつでも一緒にいることで安心感を得たいからでしょう。大人になっても、人間には心のどこかで「自分という存在を支える確かなものを確保して不安を解消したい」という願いはあります。

1.神はあなたを決して離れず捨てないと誓われた
人間は不安感がつのると、まず経済的な安定を求めて、金銭を愛するようになりがちです。金銭を愛することは信仰を妨げます。なぜなら貪欲は人を目には見えない神を信頼するより、目の前にあるお金をあてにして頼ろうとするからです。ヘブル書の記者は、「金銭を愛することをしないで、自分の持っているもので満足しなさい。」と忠告しています。これは禁欲主義を勧めているのではありません。そうではなく、人間に与えられている最大の富は金銭ではなく「わたしは、決してあなたを離れず、あなたを捨てない」と誓約されたお方を信じることだからです。貯えた金銭は使えば減ります。金品は盗まれないようにしなければなりません。金銭は社会の経済状態によって価値は変わります。ですが神さまはあなたから片時も離れることなくあなたがどんな境遇に陥っても見捨てることをなさらないと約束されます。ヨシュアはモーセに代わりイスラエルの新しいリーダーに指名されます。彼の任務は偉大な指導者モーセの後を継いで、イスラエルの二百万人以上の民を率いてカナンを征服することでした。神はこのときヨシュアに「わたしは、モーセと共にいたように、あなたと共におるであろう。わたしはあなたを見放すことも、見捨てることもしない。」(ヨシュア1:5)。同じように私たちが人生に起こる様々な問題で悩むときにも、神はあなたのすぐそばにおられてあなたを見捨てません。

2.神はあなたの永遠の助けだから何も恐れなくて良い
ヘブル書の記者は6節で詩篇118篇6節の「主がわたしに味方されるので、恐れることはない。人はわたしに何をなし得ようか。」 を引用しています。そうです。もしキリストがわたしの味方となってくださるなら、この世界には何も恐れることはないし、いかなる人も恐れるには足りません。ところが私たちは時に恐れる必要のない人やものに対して過度の恐怖心を持ってしまいがちです。しかしイエスは本当に恐れるべきお方はだれなのかの弟子たちに語りました(ルカ12:4~5)。私たちが真に恐れるべきお方はイエス・キリストです。 スリヤの王はエリシャを捕えるために大軍を送ります。エリシャの従者は朝早く起きて馬と戦車を装備した軍勢が町を囲んでいるのを見て恐れおののき、エリシャに訴えます。エリシャは「恐れることはない。われわれと共にいる者は彼らと共にいる者よりも多いのだから」と語ります。主はその若者の目を開かれ、火の馬と火の戦車が山に満ちてエリシャのまわりにあるのを見ました(列王紀下6:15~17)。同様に私たちの目に見える状況がどんなに悪くても、神はすでにご自分の民のために多くのことをしてくださっていることをまず信じましょう。私たちは乗り越えられないような困難に直面するとき、恐れやあせりに取り囲まれてしまいます。ですが、神は「主の使は主を恐れる者のまわりに陣をしいて彼らを助けられる。」(詩34:7)。

3.神はあなたの味方であり続けることを保証する
それではなぜ神はそこまで私たちを離れず見放さないと言われるのでしょう。パウロには自分のいのちを狙う多くの敵がいました。また宣教旅行の中で数々の困難を受け、死ぬような目に何度も直面しました。しかし彼は神が自分の味方であることを一度も疑いませんでした。彼には地上のどんな敵も恐れなくて良い保証がありました。それはイエス・キリストの救いです。「それでは、これらの事について、なんと言おうか。もし、神がわたしたちの味方であるなら、だれがわたしたちに敵し得ようか。ご自身の御子をさえ惜しまないで、わたしたちすべての者のために死に渡されたかたが、どうして、御子のみならず万物をも賜わらないことがあろうか。」(ローマ8:31~32)。神はあなたを罪から救うために、神のひとり子イエス・キリストのいのちと引き換えにされるほどに愛されています。それならば、神はあなたが生きるためにどうしても必要なものは、何一つ欠けることなく与えて下さらないわけがないのです。

【今日の祈り】神様、あなたがわたしを決して離れず捨てないと言われた約束を信じます。辛く苦しい、悩みの時、あなたに助けを求めて信仰の目を開いていただき、神様がいつも守り、導き、備えてくださると信じることができますように。御名によって祈ります。