聖  書:サムエル記下7章1節~14節

(1) さて、王が自分の家に住み、また主が周囲の敵をことごとく打ち退けて彼に安息を賜わった時、(2) 王は預言者ナタンに言った、「見よ、今わたしは、香柏の家に住んでいるが、神の箱はなお幕屋のうちにある」。(3) ナタンは王に言った、「主があなたと共におられますから、行って、すべてあなたの心にあるところを行いなさい」。(4) その夜、主の言葉がナタンに臨んで言った、(5) 「行って、わたしのしもべダビデに言いなさい、『主はこう仰せられる。あなたはわたしの住む家を建てようとするのか。(6) わたしはイスラエルの人々をエジプトから導き出した日から今日まで、家に住まわず、天幕をすまいとして歩んできた。(7) わたしがイスラエルのすべての人々と共に歩んだすべての所で、わたしがわたしの民イスラエルを牧することを命じたイスラエルのさばきづかさのひとりに、ひと言でも「どうしてあなたがたはわたしのために香柏の家を建てないのか」と、言ったことがあるであろうか』。(8) それゆえ、今あなたは、わたしのしもべダビデにこう言いなさい、『万軍の主はこう仰せられる。わたしはあなたを牧場から、羊に従っている所から取って、わたしの民イスラエルの君とし、(9) あなたがどこへ行くにも、あなたと共におり、あなたのすべての敵をあなたの前から断ち去った。わたしはまた地上の大いなる者の名のような大いなる名をあなたに得させよう。(10) そしてわたしの民イスラエルのために一つの所を定めて、彼らを植えつけ、彼らを自分の所に住ませ、重ねて動くことのないようにするであろう。(11) また前のように、わたしがわたしの民イスラエルの上にさばきづかさを立てた日からこのかたのように、悪人が重ねてこれを悩ますことはない。わたしはあなたのもろもろの敵を打ち退けて、あなたに安息を与えるであろう。主はまた「あなたのために家を造る」と仰せられる。(12) あなたが日が満ちて、先祖たちと共に眠る時、わたしはあなたの身から出る子を、あなたのあとに立てて、その王国を堅くするであろう。(13) 彼はわたしの名のために家を建てる。わたしは長くその国の位を堅くしよう。(14) わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となるであろう。もし彼が罪を犯すならば、わたしは人のつえと人の子のむちをもって彼を懲らす。

  今日は中田羽後師・森山諭師記念聖日です。教会のために熱心だった二人の先生の熱い信仰を私達にも与えて下さった神様に感謝しながら今日のみことばを聞きましょう。神様は約束通りダビデをイスラエルの王にして下さいました。ですからダビデは神様に感謝を表したい方法を考えていました。彼は神様のご栄光を表すために神殿を建てようと考えました。結論から申し上げますと彼は建ててはいけませんでした。

1 神殿建築の理由
  彼は神様に選ばれる前までは羊を飼っていた羊飼いで、末子でした。彼の将来を楽しみにして注目していた人は誰もいませんでした。その彼を神様は新しいイスラエルの王として、油を注がれました。何とか神様に感謝したいダビデの気持ちが、神殿を建てようとした一つ目の理由です。もう一つの理由は不安定な王権を確立することでした。ダビデが神殿を建築しようとした理由には人間的な部分もございました。神殿を建てるのに人間的な理由があるからと言って全部悪いのではありません。なぜなら神様がその部分を認めて下さったからです。神様がそれを認めて下さったからダビデ家の王権を固くして下さると約束してくださいました。神殿建築の理由に人間的な要素があったとしても、神様はそれさえ、ご栄光のために用いて下さいます。

2 神様の返事
 (1)7節を見ますとカナン地に到着してから民に神殿建築を命じられたことがありません。
  (2)ダビデでは多くの血を流し、大いなる戦争をしました。神の前で多くの血を地に流したから、神の御名のために家を建ててはなりませんでした。(歴代志上22:8参考)
  (3)代わりにダビデの子が建てることになりました。(歴代志上22:9-10)

3 メシアによる神殿建築
  ダビデは戦争で血を流したので神殿を建ててはいけませんでしたが、ソロモンは大丈夫でしょうか。ソロモンにも弱点がありました。ダビデもソロモンも神殿を建てられる資格はありません。人間が建てる神殿はこのように不完全なものです。人間が建てる神殿が不完全なので、いつかは完全なお方が来なければなりません。ですから、神様はダビデを通してソロモンのことを預言しながら、同時にメシアを預言されました。神様は人間の手による神殿をはるかに超えたメシアによる霊的な神殿である教会時代を預言してくださいました。イエス様はマタイの福音書1:1によりますとダビデの子です。サムエル記下7:14によりますとダビデの子は神の子です。ダビデの子であり、神の子であるイエス様の一番大事な仕事は霊的な神殿である教会を建てることでした。神の家は黄金で作られた小さい家ではなく、全世界に広がる神の国であり、教会であり、イエス様を信じる信徒の群れです。イエス様はこの神殿を三日間、十字架によって建てあげました(ヨハネ2:19)。私たちが教会を建てる理由は神様に住んで頂きたいからではなく、宣教を通して神の御国を大いに広げるためです。