聖 書 創世記1章26節~2章9節
1:26 神はまた言われた、「われわれのかたちに、われわれにかたどって人を造り、これに海の魚と、空の鳥と、家畜と、地のすべての獣と、地のすべての這うものとを治めさせよう」。
1:27 神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された。
1:28 神は彼らを祝福して言われた、「生めよ、ふえよ、地に満ちよ、地を従わせよ。また海の魚と、空の鳥と、地に動くすべての生き物とを治めよ」。
1:29 神はまた言われた、「わたしは全地のおもてにある種をもつすべての草と、種のある実を結ぶすべての木とをあなたがたに与える。これはあなたがたの食物となるであろう。
1:30 また地のすべての獣、空のすべての鳥、地を這うすべてのもの、すなわち命あるものには、食物としてすべての青草を与える」。そのようになった。
1:31 神が造ったすべての物を見られたところ、それは、はなはだ良かった。夕となり、また朝となった。第六日である。
2:1 こうして天と地と、その万象とが完成した。
2:2 神は第七日にその作業を終えられた。すなわち、そのすべての作業を終って第七日に休まれた。
2:3 神はその第七日を祝福して、これを聖別された。神がこの日に、そのすべての創造のわざを終って休まれたからである。
2:4 これが天地創造の由来である。主なる神が地と天とを造られた時、
2:5 地にはまだ野の木もなく、また野の草もはえていなかった。主なる神が地に雨を降らせず、また土を耕す人もなかったからである。
2:6 しかし地から泉がわきあがって土の全面を潤していた。
2:7 主なる神は土のちりで人を造り、命の息をその鼻に吹きいれられた。そこで人は生きた者となった。
2:8 主なる神は東のかた、エデンに一つの園を設けて、その造った人をそこに置かれた。
2:9 また主なる神は、見て美しく、食べるに良いすべての木を土からはえさせ、更に園の中央に命の木と、善悪を知る木とをはえさせられた。

 人の命は尊いと言われます。命は地球よりも重いと語った人もいました。ではなぜ人の命は尊いでしょう。そのわけは聖書からははっきりと知る事ができます。今朝は人類の創生について書かれた聖書の最初の巻からそれを学びます。

1.あなたは神よって創られた
聖書によれば、この世界は混沌と無秩序の中から、神様によって秩序だって創られ、全生物が生きるにふさわしい環境を整えました。最後に神様は人を創造されました(1:27)。新改訳聖書では、神は仰せられた。「さあ人を造ろう。われわれのかたちとして、われわれに似せて。…」(1:26)と訳されて、これからすばらしい人間を造るぞという神様の意気込みが伺えます。神様は全知全能なお方ですから失敗作などは万に一つもありません。それが証拠に「神が造ったすべての物を見られたところ、それは、はなはだ良かった。」(1:31)とあり、その出来栄えを満足されています。わたしたちは欠けだらけですが自信喪失することはないのです。神様の目にはどんな人もすでに傑作です。「創造」の意味は、「それまでなかったものを初めてつくりだす」ですが、1章 7節によると神様が人をこしらえた素材は土のちり(アダマ)です。そこから人(アダム)は造られました。言わば人は泥人形でした。人を創られる最後の仕上げに神様は「命の息をその鼻に吹きいれられた。そこで人は生きた者となった。」(7)のです。この瞬間に全ての人はかけがえのない尊い存在になりました。まさに「画竜点睛」(がりょうてんせい=最後の一点を加えてその物事を完成させる)のごとくに人を造りました。こうして人は神の作品(エペソ2:10)として完成しました。初めの質問に戻りますが人間はなぜ尊いのですか。それはその人が持つ能力や才能でもなくその人の功績や栄誉でもなく、神が「さあ人を造ろう」と手塩にかけてつくられた唯一無比の存在だからこそ、あなたは尊いとされ、それは命が生まれた瞬間から神様によって決定づけられたのです。

2.神はあなたを祝福された
 神様は、人を造り終えたのちにこれに向かって祝福をします。人の繁栄を望まれ、ご自身の代わりに造られたすべての生き物を統轄し治める大切な役目を人に与えました(1:28)。すべての生き物のなかで人間だけが肉体の中に霊を宿したましいを持つ特別な存在として造られました。これによって人は神様と相対してコミュニケーションできる者となりました。神様は目に見えるお方ではありませんが、目には見えなくてもわたしたちのたましいが、主につながることによっていのちのつながりができます。さらに神様の祝福は続きます。わたしたちの食物として、草や種のある実を結ぶすべての木を与えると約束されます。神は人を「エデンの園」連れて行って「あなたは、園のどの木からでも思いのまま食べてよい。」(2:16)と言われました。神様は何不自由なく生きられる最適な環境に人を置かれて、わたしたちを大いに祝福されたのです。

3.あなたは神から愛されている
 人の起源は神様によって創造されました。「神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造」されます(1:27)。神のかたちに似せてとは、人の姿かたちが神様に似ているということではありません。人間は人格(ペルソナ)を備えて生まれたので、人は神様からの愛を「わたしは神様から愛されている」と自覚的に受け取ることができます。これによって人と神様の間に互いに愛しあう関係が成立します。神様はわたしたちが神様の掟を守りに「エデンの園」に留まることを願ったのに、人は神のようになりたいとたった一つの掟を破り神様に背きました。こうして人は「エデンの園」を追放されました。わたしたちはもといた神様のところに帰らなければなりません。神様はわたしたちを愛するゆえに、帰る方法をすでに備えられました。イエス・キリストの十字架だけが、あなたが神のもとに帰ることができる唯一の道です(ヨハネ14:6)。あなたを愛する神のふところに帰り着きさえすれば、あなたを造られた神様は人生のどんな試練の時も共にいて助け守ってくださり最高の道に導かれます。