聖 書:ピリピ2:1~5
(1)そこで、あなたがたに、キリストによる勧め、愛の励まし、御霊の交わり、熱愛とあわれみとが、いくらかでもあるなら、
(2)どうか同じ思いとなり、同じ愛の心を持ち、心を合わせ、一つ思いになって、わたしの喜びを満たしてほしい。
(3)何事も党派心や虚栄からするのでなく、へりくだった心をもって互に人を自分よりすぐれた者としなさい。
(4)おのおの、自分のことばかりでなく、他人のことも考えなさい。
(5)キリスト・イエスにあっていだいているのと同じ思いを、あなたがたの間でも互に生かしなさい。

SMAP騒動の中で「世界に一つだけの花」が浮上しました。「小さい花や大きな花 /一つとして同じものはないから/No.1にならなくてもいい/もともと特別な Only One」が発売当初から長期にわたって多くの人々を引きつけました。さらに若者の個性の回復や人命の大切さを訴え、平和を求めるメッセージとして発信されました。
新約聖書の中に「互に愛し合い」(ヨハネ13:34)、「互にゆるし合い」(エペソ4:32)、「互に忍びあい」(コロサイ3:13)など「互に」という言葉が124箇所くらい出てきます。この言葉は「Only One」とは真逆な「One another=互いに」を意味しています。ひとりの人の生命や個性が重要なことは当然ですが、私たちは日常生活の中で多くの人々の助けによって生かされていることも確かなことなのです。

Ⅰ.福音にふさわしい生活
パウロはピリピ教会の人々に「キリストの福音にふさわしく生活しなさい。~あなたがたが一つの霊のよって堅く立ち、一つ心になって福音の信仰のために力を合わせて戦い・・」(1:27)と懇願しています。その背景には「わたしはユウオデヤに勧め、またスントケに勧める。どうか、主にあって一つ思いになってほしい」(4:2)とあるように、ピリピ教会には不一致という問題が内在していたのです。彼女たちはパウロと共に福音のために戦ってきましたが、残念ながら心の一致が不十分でした。教会には不完全な部分が多々あります。しかしキリスト者にも違いはありますが、根底には共通項があるのです。そこにしっかりと立たないと「福音にふさわしい生活」とは縁の遠いものとなってしまいます。

Ⅱ.キリスト者の共通項
パウロは「キリストによる勧め、愛の励まし、御霊の交わり、熱愛とあわれみ」というキリスト者の共通項を訴えています。これはこの世の団結力よりも強力なものです。これを見失うと教会も世の中の団体と同様になってしまいます。喜ぶのは悪魔だけです。私たちはこの共通項を基盤として戦わなくてはなりません。パウロは「同じ思いとなり、同じ愛の心を持ち、心を合わせ、一つ思いになって、わたしの喜びを満たしてほしい。」と訴えています。「福音にふさわしい生活」とは、キリストの心を喜ばせることであり、それは福音宣教に励むことによって実現されるのです。教会内に一致がなくては、この世との戦いに勝利を収めることはできません。

Ⅲ.教会の一致を守る秘訣
聖書は教会の一致を乱す要因は「党派心や虚栄・・自分のことばかり」考える自己中心にあると指摘しています。個の働きが突出しますと、全体としての働きが第二義的なものになってしまいます。一致を守る秘訣は「へりくだった心をもって互に人を自分よりすぐれた者としなさい。自分のことばかりではなく、他人のことも考えなさい。キリスト・イエスにいだいている思いを、あなたがたの間でも互に生かしなさい」と勧めています。「人を自分よりもすぐれた者とする」ことは、自分を過小評価したり、卑屈にすることではありません。相手の賜物を認め、神に用いられていることを喜ぶ人です。権威を笠に着る人は、自らの無能をさらけ出しているのです。聖書は「いちばん偉い者は、仕える人でなければならない」(マタイ23:11)と教えています。

新会堂になって3年目を迎えました。更なる宣教の拡大を図るためにも、すべての者が神のみ前に謙り、聖霊による一致を守るようにお互いが努め、支えて頂きましょう。