聖 書:ルカ2章8~14節
2:8 さて、この地方で羊飼たちが夜、野宿しながら羊の群れの番をしていた。
2:9 すると主の御使が現れ、主の栄光が彼らをめぐり照したので、彼らは非常に恐れた。
2:10 御使は言った、「恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。
2:11 きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生れになった。このかたこそ主なるキリストである。
2:12 あなたがたは、幼な子が布にくるまって飼葉おけの中に寝かしてあるのを見るであろう。それが、あなたがたに与えられるしるしである」。
2:13 するとたちまち、おびただしい天の軍勢が現れ、御使と一緒になって神をさんびして言った、2:14「いと高きところでは、神に栄光があるように、地の上では、み心にかなう人々に平和があるように」。

今年105才になられる日野原重明先生は「聖書の中心的なメッセージは『神に栄光、地に平和』と言う言葉の中にあります。つまり自分の命を自分のためにではなく、神のため、人のために使うことです。これが書いて字の如く、使命という意味です。」と明快に語ってもおられます。

Ⅰ.羊飼いへの顕現
羊飼いたちは「夜、野宿しながら羊の番をしていた。すると、主の御使が現れ、主の栄光が彼らをめぐり照らしたので、彼らは非常に恐れた」のです。「主の栄光」は神の臨在の表れです。ですから彼らは恐れたのです。神は救い主の降誕を、王でも祭司でも教師でもなく、羊飼いに伝えました。聖書は「わたしは高く、聖なる所に住み、また心砕けて、へりくだる者と共に住み」(イザヤ57:15)と教えています。羊飼いは当時の社会にあっては、最も下層階級の者として、人々から蔑まれていた人々でした。

Ⅱ.羊飼いへの告知
御使は「恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。」と羊飼いに伝えました。聖書の教えのことを「福音」(グッド・ニュース)と言います。ここに重要な3つのことが記されています。
1.きょう
仏教思想では「今」は単なる通過点に過ぎません。しかし、キリスト教においては「今」は重要な意味を持っています。「今は恵みの時、救いの日である」(Ⅱコリント6:2)。「今」を大切にすることによって、「今」はよい過去となり、未来は良い「今」となるのです。
2.あなたがたのために
イエス・キリストは不特定多数のためにではなく、「あなたがたのために」、「あなたのために」お生まれになったのです。
3.飼葉おけの救い主
キリストは私たちを「罪、罪の呪い、良心の呵責、死と恐怖」から解放してくださいます。「飼葉おけの救い主」は、貧困と謙遜と日毎の糧を象徴しています。

Ⅲ.神に捧げられる大合唱
救い主の降誕を祝って、おびただしい天の軍勢と御使が一緒になって、「神に栄光、地に平和」の大合唱が歌われました。天に栄光がなくては、地に平和は実現しません。み心にかなう人々に平和が訪れるのです。この合唱は①神への礼拝、②神への祈り、③神への献身を表しています。ともに主のみ心に適う者とさせて頂きましょう。