聖書:民数記13章17節~33節、民数記14章24節~25節、ヨシュア記14章6~15節

民数記13章17節~33節、

(17)モーセは彼らをつかわし、カナンの地を探らせようとして、これに言った、「あなたがたはネゲブに行って、山に登り、
(18)その地の様子を見、そこに住む民は、強いか弱いか、少ないか多いか、
(19)また彼らの住んでいる地は、良いか悪いか。人々の住んでいる町々は、天幕か、城壁のある町か、
(20)その地は、肥えているか、やせているか、そこには、木があるかないかを見なさい。あなたがたは、勇んで行って、その地のくだものを取ってきなさい」。時は、ぶどうの熟し始める季節であった。
(21)そこで、彼らはのぼっていって、その地をチンの荒野からハマテの入口に近いレホブまで探った。
(22)彼らはネゲブにのぼって、ヘブロンまで行った。そこにはアナクの子孫であるアヒマン、セシャイ、およびタルマイがいた。ヘブロンはエジプトのゾアンよりも七年前に建てられたものである。
(23)ついに彼らはエシコルの谷に行って、そこで一ふさのぶどうの枝を切り取り、これを棒をもって、ふたりでかつぎ、また、ざくろといちじくをも取った。
(24)イスラエルの人々が、そこで切り取ったぶどうの一ふさにちなんで、その所はエシコルの谷と呼ばれた。
(25)四十日の後、彼らはその地を探り終って帰ってきた。
(26)そして、パランの荒野にあるカデシにいたモーセとアロン、およびイスラエルの人々の全会衆のもとに行って、彼らと全会衆とに復命し、その地のくだものを彼らに見せた。
(27)彼らはモーセに言った、「わたしたちはあなたが、つかわした地へ行きました。そこはまことに乳と蜜の流れている地です。これはそのくだものです。
(28)しかし、その地に住む民は強く、その町々は堅固で非常に大きく、わたしたちはそこにアナクの子孫がいるのを見ました。
(29)またネゲブの地には、アマレクびとが住み、山地にはヘテびと、エブスびと、アモリびとが住み、海べとヨルダンの岸べには、カナンびとが住んでいます」。
(30)そのとき、カレブはモーセの前で、民をしずめて言った、「わたしたちはすぐにのぼって、攻め取りましょう。わたしたちは必ず勝つことができます」。
(31)しかし、彼とともにのぼって行った人々は言った、「わたしたちはその民のところへ攻めのぼることはできません。彼らはわたしたちよりも強いからです」。
(32)そして彼らはその探った地のことを、イスラエルの人々に悪く言いふらして言った、「わたしたちが行き巡って探った地は、そこに住む者を滅ぼす地です。またその所でわたしたちが見た民はみな背の高い人々です。
(33)わたしたちはまたそこで、ネピリムから出たアナクの子孫ネピリムを見ました。わたしたちには自分が、いなごのように思われ、また彼らにも、そう見えたに違いありません」。

民数記14章24節~25節、

(24)ただし、わたしのしもべカレブは違った心をもっていて、わたしに完全に従ったので、わたしは彼が行ってきた地に彼を導き入れるであろう。彼の子孫はそれを所有するにいたるであろう。
(25)谷にはアマレクびととカナンびとが住んでいるから、あなたがたは、あす、身をめぐらして紅海の道を荒野へ進みなさい」。

ヨシュア記14章6~15節

(6)時に、ユダの人々がギルガルのヨシュアの所にきて、ケニズびとエフンネの子カレブが、ヨシュアに言った、「主がカデシ・バルネアで、あなたとわたしとについて、神の人モーセに言われたことを、あなたはごぞんじです。
(7)主のしもべモーセが、この地を探るために、わたしをカデシ・バルネアからつかわした時、わたしは四十歳でした。そしてわたしは、自分の信ずるところを復命しました。
(8)しかし、共に上って行った兄弟たちは、民の心をくじいてしまいましたが、わたしは全くわが神、主に従いました。
(9)その日モーセは誓って、言いました、『おまえの足で踏んだ地は、かならず長くおまえと子孫との嗣業となるであろう。おまえが全くわが神、主に従ったからである』。
(10)主がこの言葉をモーセに語られた時からこのかた、イスラエルが荒野に歩んだ四十五年の間、主は言われたように、わたしを生きながらえさせてくださいました。わたしは今日すでに八十五歳ですが、
(11)今もなお、モーセがわたしをつかわした日のように、健やかです。わたしの今の力は、あの時の力に劣らず、どんな働きにも、戦いにも堪えることができます。
(12)それで主があの日語られたこの山地を、どうか今、わたしにください。あの日あなたも聞いたように、そこにはアナキびとがいて、その町々は大きく堅固です。しかし、主がわたしと共におられて、わたしはついには、主が言われたように、彼らを追い払うことができるでしょう」。
(13)そこでヨシュアはエフンネの子カレブを祝福し、ヘブロンを彼に与えて嗣業とさせた。
(14)こうしてヘブロンは、ケニズびとエフンネの子カレブの嗣業となって、今日に至っている。彼が全くイスラエルの神、主に従ったからである。
(15)ヘブロンの名は、もとはキリアテ・アルバといった。アルバは、アナキびとのうちの、最も大いなる人であった。こうしてこの地に戦争はやんだ。

 

本日はユダヤ民族の存亡をかけた「逆転民族」の話です。カデシ・バルネアにおける失敗の危機からユダヤ民族を救ったのが「違った心」を抱いたカレブの「神への絶対的な服従」の信仰でした。

Ⅰ神の約束に固く立つ信仰
1信じることと従うこと
カレブは神の約束を信じるだけでなく神の命令に服従した人でした。
2見えるものと見えないもの
10民族は「わたしたちはその民のところへ攻めのぼることはできません。彼らはわたしたちよりも強いからです」(民数記13:28、31)、カレブは「わたしたちはすぐにのぼって、攻め取りましょう。わたしたちは必ず勝つことができます」(民数記13:30)と報告をしました。消極派は見える現実に、積極派は見えない神の約束に目を向けました。
3多数派と少数派
結果的にユダヤ民族の民意は多数派に傾き少数派は退けられました。民衆は「エジプトに帰る方が、むしろ良いではないか」(14:3b)と嘆きます。キリスト教信仰においては、民意を越えた神の意思を伺うことが求められます。

Ⅱ苦節40年を耐え抜いた信仰
1カレブは少数派であったが、主流派でもあった。
カレブは少数派でしたが、決して多数派に同調することなく、自説を曲げることなく、生涯主流派としての信仰を守り通しました。
2カレブの信仰は立証された。
神は「わたしに完全に従った」(民数記14:24)。モーセは「おまえが全くわが神、主に従ったからである」(ヨシュア記14:9)、カレブ自身は「わたしは全くわが神、主に従いました」(同14:8b)と証言しています。
3カレブの信仰の継承
カレブの信仰は、第一代の士師となった甥であるオテニエルによって継承されました。因みにオテニエルの妻はカレブの娘・アクサです。

Ⅲ神の恵みによって報われた信仰
1カレブは約束の地に入ることができた。
2高齢になっても心身の健康に恵まれた。
3約束された嗣業の土地を受けた。
カナン入国から45年が経過した時に、カレブは「それで主があの日語られたこの山地を、どうか今、わたしにください」と大胆に要求しています。聖書は「そこでヨシュアはエフンネの子カレブを祝福し、ヘブロンを彼に与えて嗣業とさせた。」(ヨシュア記14:13)と記しています。

高齢になっても衰えないカレブの信仰には驚くばかりです。私たちも「神への絶対的な服従」をもって信仰の道を歩ませて頂きましょう。