聖 書:エペソ4:11~16

4:11 こうして、キリストご自身が、ある人たちを使徒、ある人たちを預言者、ある人たちを伝道者、ある人たちを牧師また教師としてお立てになりました。
4:12 それは、聖徒たちを整えて奉仕の働きをさせ、キリストのからだを建て上げるためです。
4:13 私たちはみな、神の御子に対する信仰と知識において一つとなり、一人の成熟した大人となって、キリストの満ち満ちた身丈にまで達するのです。
4:14 こうして、私たちはもはや子どもではなく、人の悪巧みや人を欺く悪賢い策略から出た、どんな教えの風にも、吹き回されたり、もてあそばれたりすることがなく、
4:15 むしろ、愛をもって真理を語り、あらゆる点において、かしらであるキリストに向かって成長するのです。
4:16 キリストによって、からだ全体は、あらゆる節々を支えとして組み合わされ、つなぎ合わされ、それぞれの部分がその分に応じて働くことにより成長して、愛のうちに建てられることになります。

2021年度最後の礼拝を迎えた。本年度もコロナウイルス感染は止まらず現在の第6波では被害、影響を受けた方も多かった。自然災害は大雨、火山噴火、地震があり、人間の罪悪である戦争が起きてしまった。私たちを揺さぶるものは多くあるが、神様につながる信仰、礼拝、教会について深く思い、祈りながら新しい年度を迎えよう。

Ⅰ.イエス様による秩序
先週の教団総会では正教師に石川剛士師(他2名)、補教師に石﨑善土師(他5名)、伝道師に栗本高仁師・佐和師、勧士に矢島志朗兄が任命され大きな感謝であった。11節のキリストによる任命につながっている。ここに使徒、預言者、伝道者、牧師、教師が出てくる。使徒は12使徒の後やや広がりがあった(パウロ、バルナバ、主の兄弟ヤコブ他)。初代教会後には薄れていく。預言者もやがて消えていく。聖書が確立し読まれる素地ができたので人間を介さず、御言によって神様は御心を伝えられた。伝道者、牧師、教師は今も続いている。神様はその時代に必要な働きを知っておられ、制度は時代に応じて変化していく。時代を超える大切な働きは聖徒を相応しく整え、奉仕に向かわせ、キリストのからだを建て上げるためのものである。

Ⅱ.イエス様による一致
エペソ4章はここまでに、御霊、召しの望み、からだ、信仰、バプテスマは一つであると言っており、教会の一致の基盤はそこにある。その上でイエス様に目を向けさせる。13節「キリスト…にまで達する」,15節「キリストに向かって」、16節「キリストによって」とある。私たちが教会の内に一つとされるために、1)イエス様によって:自分の選り好みではなく,イエス様の召しに従って(4:1~3)。2)イエス様に向かって:信仰と教会の目標はイエス様以外にはない(へブル12:1・2)。3)イエス様に到達する:イエス様に近づけるように努める(ピリピ3:12~16)。努力を継続していくことが大切である。イエス様によって一つであることは教会を成熟させ、教会がこの世へ証しする力になっていく。

Ⅲ.イエス様による成長
この手紙で教会とは(1:23)「教会はキリストのからだであり、すべてのものをすべてのもので満たす方が満ちておられるところです。」とある。キリストのからだである教会に私たちはつながっている。その上で13節「信仰と知識において」「成熟した大人」を目指していくものである。大人であることは自立し、自分の世界を持つ者である。教会の人間関係において、人に左右されないで神様と私、私と共にある信仰者のつながりが明確にされていることが大切である。15節にあるように真理だけでは冷たくなり、人間の愛だけでは甘えにもなりやすい。バランスのとれた愛にある真理は神様とのつながり、互いの信仰者のつながりを命あるものとする。教会は神様の命が息づいて成長し、建て上げられていく生命体である。

神様はその時代と地域に相応しく教会を導かれた。神様は今、この時代に相応しく私たちの教会を整え、導かれる。かしらであるイエス様を見上げて歩もう.