聖書箇所 テサロニケ第一1:1~10
1:1 パウロ、シルワノ、テモテから、父なる神と主イエス・キリストにあるテサロニケ人の教会へ。恵みと平安があなたがたにありますように。
1:2 私たちは、あなたがたのことを覚えて祈るとき、あなたがたすべてについて、いつも神に感謝しています。
1:3 私たちの父である神の御前に、あなたがたの信仰から出た働きと、愛から生まれた労苦、私たちの主イエス・キリストに対する望みに支えられた忍耐を、絶えず思い起こしているからです。
1:4 神に愛されている兄弟たち。私たちは、あなたがたが神に選ばれていることを知っています。
1:5 私たちの福音は、ことばだけでなく、力と聖霊と強い確信を伴って、あなたがたの間に届いたからです。あなたがたのところで、私たちがあなたがたのためにどのように行動していたかは、あなたがたが知っているとおりです。
1:6 あなたがたも、多くの苦難の中で、聖霊による喜びをもってみことばを受け入れ、私たちに、そして主に倣う者になりました。
1:7 その結果、あなたがたは、マケドニアとアカイアにいるすべての信者の模範になったのです。
1:8 主のことばがあなたがたのところから出て、マケドニアとアカイアに響き渡っただけでなく、神に対するあなたがたの信仰が、あらゆる場所に伝わっています。そのため、私たちは何も言う必要がありません。
1:9 人々自身が私たちのことを知らせています。私たちがどのようにあなたがたに受け入れてもらったか、また、あなたがたがどのように偶像から神に立ち返って、生けるまことの神に仕えるようになり、
1:10 御子が天から来られるのを待ち望むようになったかを、知らせているのです。この御子こそ、神が死者の中からよみがえらせた方、やがて来る御怒りから私たちを救い出してくださるイエスです。
2024年度最初の、またイースター後の最初の礼拝であり創立記念礼拝である。新たな思いで新しい年度を始めていこう。今朝はテサロニケ教会の宣教の様子が開かれてきた。
1.教会の始まり
テサロニケ教会と言われても余りピンと来ないのでは。教会の始まりはパウロの第二回伝道旅行であった(使徒17:1~10)。マケドニア人の幻を見たパウロはエーゲ海を渡りヨーロッパに踏み出す。テサロニケ伝道は、ピリピ伝道とアテネ伝道の間であり余り注目されない。では、この手紙の最初のくだりはどうか。「あなたがたすべてについて、いつも神に感謝しています。」(2節)、「神に愛されている兄弟たち。…あなたがたが神に選ばれている」(4節)。パウロはテサロニケ教会の信徒を誉め称えている。この素晴らしい教会はわずか3週間の伝道が始まりであった(使徒17:2)。真実な福音の実が結ばれていったことは、「信仰から出た働きと、愛から生まれた労苦、…主イエス・キリストに対する望み」(3節)と述べられている。彼らは神様から与えられる信仰、希望、愛(コリント第一13:13)に生きていたからこそ、誉められるような教会形成がなされていった。
2.教会の形成
福音を伝える宣教の働きは「力と聖霊」(5節)によってなされた。聖霊はただの力ではないが、聖霊と力は切り離されない。使徒の働きで、聖霊が降って弟子たちは力をいただきエルサレムから福音を宣べ伝えた。政治的、宗教的指導者からの迫害、異教の呪術師、人間主義や物質主義のような考え方にも打ち負かされなかった。聖霊の力強い働きによるものであり、パウロたちは「強い確信」(5節)を持っていた。テサロニケの地を神様は愛されていること、ここに教会を建て上げられることを、パウロは確信を持っていた。
実際にテサロニケの人々は「多くの苦難の中で、聖霊による喜びをもってみことばを受け入れ、私たちに、そして主に倣う者になりました。」(6節)とある。この地での福音の宣教に困難はあったが、それを超えて働きは前進していった。
3.教会の栄光
テサロニケ教会の信徒たちは「マケドニアとアカイアにいるすべての信者の模範」
(7節)となった。福音の宣教が「マケドニアとアカイアに響き渡っただけではなく」、さらに「神に対するあなたがたの信仰が、あらゆる場所に伝わっています。」(8節)とある。パウロが何も言う必要がないと言うほど、テサロニケ教会の働きは完全であった。このように手放しで誉められる宣教、信仰を私たちも持とう。テサロニケ教会で可能であったことは、私たちは不可能だと言い切れない。みことばを受け入れ、聖霊によって歩むならば、困難の中でも力強い歩みを果たすことができる。主が再び来られる日まで、主に仕える者となる。
私たちの教会の始まりを覚えつつ、私たちもテサロニケ教会のようにこの世に主を証しし、神様の栄光を目指して歩んでいこう。