聖  書  エペソ人への手紙6:1~4

1:子たる者よ。主にあって両親に従いなさい。これは正しいことである。
2:「あなたの父と母とを敬え」。これが第一の戒めであって、次の約束がそれについている、
3:「そうすれば、あなたは幸福になり、地上でながく生きながらえるであろう」。
4:父たる者よ。子供をおこらせないで、主の薫陶と訓戒とによって、彼らを育てなさい。

金 言
「『あなたの父と母とを敬え』。これが第一の戒めであって、次の約束がそれについている、」。
(エペソ6:2)
 
 人類最初のアダムは、罪を犯し、神から離れてしまい、家庭だけではなく、人間関係が破壊されてしまいました。現代は、家族だけではなく、あらゆる人間関係が行き詰まっています。人間関係の罪は、神との関係が正され、神からの罪の赦しがなければ、けっして解決はありません。
 律法は、神によって救われた民に与えられた生活指針です。守らなければならない命令ではなく、この世において神の祝福に与り、正しい人間関係を保つために与えられたものです(出エジプト20:1-17)。主イエスは、「心をつくし、精神をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ」、「自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ」と律法を要約されました。
 エペソ人への手紙では、前半が主イエス・キリストにより救われて、神の民となり、教会に加わったことの恵みが書かれ、後半はその教会生活と人間関係について書かれています。「そしてすべてのことにつき、いつも、わたしたちの主イエス・キリストの御名によって、父なる神に感謝し、キリストに対する恐れの心をもって、互に仕え合うべきである」(5:20-21)が結論です。その各論として夫婦関係(5:23-32)、親子関係(6:1-4、労使関係(6:5-9)にふれています。広く見るならば、男女関係、世代関係、理解関係の人間関係です
1.主にあって両親に従いなさい
 主とは、主イエス・キリストです。主を信じ、主に従うことの一つとして、両親に従うことが出てきます。律法では、次の世代に神の言葉を伝える責任が親にありました。だから、親に逆らうことは、神の言葉に逆らうことでした。信仰の先輩者たちは、自分たちの失敗や悔い改めも含めて、神に従うことの大切さを教えてくれるのです。
2.主の薫陶と訓練とによって、彼らを育てなさい
 子供をおこらせてしまうのは、親のエゴが入るからです。親も子供も罪人であり、主イエスの十字架によって、罪を赦していただくしかありません。主に罪を赦された経験のある者だけが他者の罪を赦すことができるのです。
「親たる者が、自分を神よりも賢いように思いあがって、子供に対することを戒めるものである。『親自身がまず、主の学校において、学び、主の愛によって生かされていなければならない』」(新聖書注解より)
 親も子も、そして世代を越えて、主イエス・キリストの十字架の前に砕かれ、お互いの罪の赦しと、主にある新しい人間関係が生まれる日とさせていただきたい。