聖 書:イザヤ37章30節~32節(並行記事:列王紀下19:29-31)

(30) あなたに与えるしるしはこれである。すなわち、ことしは落ち穂から生えた物を食べ、二年目には、またその落ち穂から生えた物を食べ、三年目には種をまき、刈り入れ、ぶどう畑を作ってその実を食べる。(31) ユダの家の、のがれて残る者は再び下に根を張り、上に実を結ぶ。(32) すなわち残る者はエルサレムから出、のがれる物はシオンの山から出る。万軍の主の熱心がこれをなし遂げられる。

 新年おめでとうございます。今年は21世紀を迎えて11年目に当たります。
私たちは希望に燃えて21世紀を迎えましたが、世界は国内外共にますます困難と混乱の色合いを濃くしています。キリスト教界も1%の壁をどうしても突破することができません。こうした状況の中で私たちの教会は新会堂建築に取りかかろうとしています。このために私たちは真剣になって神の助けを
祈り求めてゆかなくてはなりません。
 ユダ国はまた別な状況下にあって危急存亡の時を迎えていました。北イスラエルはすでにBC722年にアッシリヤによって滅亡していました。アッシリヤはその勢いでユダにも侵略の手を伸ばし、ユダは大きな痛手を被ります。(36章)。こうした危機にあってユダの王ヒゼキヤは自ら神に祈ると共に、預言者イザヤに使者を遣わして祈りを要請しました(37章)。その返事と勝利の様子が36章21節~38節に記されています。
Ⅰ.勝利に至る三年間 (30)
 イザヤは「ことしは落ち穂から生えた物を食べ、二年目には、またその落ち穂から生えた物をたべ、三年目には種をまき、刈り入れ、ぶどう畑を作ってその実を食べる」と預言しました。つまり侵略によって荒らされた田畑の復興には三年間を要することを伝えたのです。私たちのおかれている状況はユダとは異なります。しかしキリスト教会を攻めるこの世の勢力は今も昔も少しも変わるところがありません。私たちも神に真剣に祈り、神の御旨と勝利の確信を得なくてはなりません。私たちの新会堂建築計画が2012年度着工と言うことと併せて、この三年間を熟慮したいものであります。
Ⅱ.下に根を張り、上に実を結ぶ (31~32a) 
 この三年間は「下に根を張り、上に実を結ぶ」時期です。それは「ユダの家の、のがれて残る者」にのみ与えられた特権です。その間は「落ち穂から生えた物」で生活する苦しい時です。しかしその期間は個人の信仰生活、教会の宣教活動、信仰者同士の交わりなどにおいて「下に根を張る」時なのです。不要な出費や無駄な勢力は極力控え体力をつける時なのです。その結果三年目には(新会堂竣工)、「上に実を結ぶ」時を迎えることができるのです。 わが国には、折角キリスト者とされながら、何らかの理由で教会を離れた人々がおられることを忘れてはなりません。こうした人々の信仰が復興(リバイブ)されることを祈らされます。しかし幸いなことに神は「のがれて残る者」をご自身の働きのために使って下さるのです。「残る者はエルサレムから出、のがれる者はシオンの山から出る」のです。
Ⅲ.万軍の主の熱心 (32b)
「万軍の主」とは何という力強い肩書きでしょうか。旧約聖書には246回も出てきます。「万軍の主の熱心」はこの箇所とキリスト降誕の預言(イザヤ9:7)の二カ所だけです。小国ユダが大国アッシリヤに勝利を治めるというようなことは、全くと言って良いほど不可能なことでした。しかし「万軍の主の熱心がこれをなし遂げられる」のです。神の熱心は、イザヤの祈りやヒゼキヤの祈りに答えられたものと言えます。 
私たちの祈りは、神の大能の御手を動かす力となるのです。この三年間、教会員の心を一つにして、共に祈り抜いて参りましょう。