聖 書:申命記11:8~25

(8)ゆえに、わたしが、きょう、あなたがたに命じる戒めを、ことごとく守らなければならない。そうすればあなたがたは強くなり、渡って行って取ろうとする地にはいって、それを取ることができ、
(9)かつ、主が先祖たちに誓って彼らとその子孫とに与えようと言われた地、乳と蜜の流れる国において、長く生きることができるであろう。
(10)あなたがたが行って取ろうとする地は、あなたがたが出てきたエジプトの地のようではない。あそこでは、青物畑でするように、あなたがたは種をまき、足でそれに水を注いだ。
(11)しかし、あなたがたが渡って行って取る地は、山と谷の多い地で、天から降る雨で潤っている。
(12)その地は、あなたの神、主が顧みられる所で、年の始めから年の終りまで、あなたの神、主の目が常にその上にある。
(13)もし、きょう、あなたがたに命じるわたしの命令によく聞き従って、あなたがたの神、主を愛し、心をつくし、精神をつくして仕えるならば、
(14)主はあなたがたの地に雨を、秋の雨、春の雨ともに、時にしたがって降らせ、穀物と、ぶどう酒と、油を取り入れさせ、
(15)また家畜のために野に草を生えさせられるであろう。あなたは飽きるほど食べることができるであろう。
(16)あなたがたは心が迷い、離れ去って、他の神々に仕え、それを拝むことのないよう、慎まなければならない。
(17)おそらく主はあなたがたにむかい怒りを発して、天を閉ざされるであろう。そのため雨は降らず、地は産物を出さず、あなたがたは主が賜わる良い地から、すみやかに滅びうせるであろう。
(18)それゆえ、これらのわたしの言葉を心と魂におさめ、またそれを手につけて、しるしとし、目の間に置いて覚えとし、
(19)これを子供たちに教え、家に座している時も、道を歩く時も、寝る時も、起きる時も、それについて語り、
(20)また家の入口の柱と、門にそれを書きしるさなければならない。
(21)そうすれば、主が先祖たちに与えようと誓われた地に、あなたがたの住む日数およびあなたがたの子供たちの住む日数は、天が地をおおう日数のように多いであろう。
(22)もしわたしがあなたがたに命じるこのすべての命令をよく守って行い、あなたがたの神、主を愛し、そのすべての道に歩み、主につき従うならば、
(23)主はこの国々の民を皆、あなたがたの前から追い払われ、あなたがたはあなたがたよりも大きく、かつ強い国々を取るに至るであろう。
(24)あなたがたが足の裏で踏む所は皆、あなたがたのものとなり、あなたがたの領域は荒野からレバノンに及び、また大川ユフラテから西の海に及ぶであろう。
(25)だれもあなたがたに立ち向かうことのできる者はないであろう。あなたがたの神、主は、かつて言われたように、あなたがたの踏み入る地の人々が、あなたがたを恐れおののくようにされるであろう。

 

元旦礼拝に続いて新年礼拝を迎えることができ感謝。2015年度は礼拝と言うテーマで語ってきたが、今日は年頭に当たって神様の愛の真実さを見よう。

Ⅰ.伝えるべき教え
申命記は旧約聖書の初め、律法の書、モーセ5書の最後になる。モーセの時代、出エジプトから40年間が経って、荒野の旅路の期間が終わろうとしていた
。ヨルダン川を前にしたモアブの地でモーセはイスラエルの民に神様の教えと戒めを述べた。間もなくイスラエルの民はヨルダン川を渡ってカナンの地を攻め
取っていくという時代の変わり目である。その時代にこそ神様に固く立っていくことの大切さをモーセは語った。昨年、首相は戦後レジームからの脱却を唱え
た、難民や通貨でヨーロッパは揺れている、イスラム世界は非常に不安定である、アメリカ、ロシア、中国も目が離せない。私たちの世界も大きく移り変わろ
うとする時代であろう。社会が移り変わっても、決して変わらないもの、揺るがないものを持つことほど大きな平安はない。

Ⅱ.生きるべき姿
申命記が語っている私たちへの教えは単純明快である。11章26節から28節には、神様に聞き従うことによる祝福、神様に聞き従わなければのろいを受けると
ある。世の中には悟りや修行、高度な知識を求める宗教もある。全ての人の救いを願われる神様は私たちが理解できない難しいことを語られていない。しかし
、私たちは教え、戒めというと自分が束縛される、不自由になると毛嫌いする部分がある。私たちは神様を信じる者、神様を愛する者である。私たちは神様を
崇め尊ぶ者である。それならば神様に従うこと、神様の教えを守ることをどうして避けるのだろうか。私たちは神様を信じる者、神様を愛する者だからこそ神
様に従うことが喜びであり、感謝である者となろう。

Ⅲ.受けるべき祝福
神様に従う者への祝福は何であろうか。8節:領地を得る。9節:長命、子孫繁栄。11節:天からの恵み、主の眼差しがある。14節:作物の恵み。15節:家
畜の守り。23節:他国への勝利。24節:領土の拡大、の祝福がある。神様は全てを越えて働かれているお方であって、霊的な祝福もあり、現実の世界の祝福も
ある。現世的な御利益とは違う。祝福を受けるために、13節の私たちが心をつくし、精神をつくして神様に仕えることと共に、18節からは常に神様の言葉を忘
れない、子どもたちに伝えることが説かれている。18節からの勧めは実際的である。見えない神様を信じていくために、神様の言葉を心に持ちいつも覚えて、
家の入口や門に書かなくとも、書かれた神の言葉である聖書にいつも親しむことである。

私たちはこの年も揺るがない神様に基を置いている。神様を信じ、愛するがゆえに、神様に従う者である。従う者に祝福は用意されている。この単純さに生
きよう。ホーリネス系教会の指導者であった米田豊師の戦時中の獄中の所感。「過去を思えば感謝。現在は平安。将来は信頼あるのみ」。この年も、私たちは
主の恵みの地に立ち、主の目が注がれている歩みである。