聖 書: レビ記19:1~10

19:1 主はモーセにこう告げられた。
19:2 「イスラエルの全会衆に告げよ。あなたがたは聖なる者でなければならない。あなたがたの神、主であるわたしが聖だからである。
19:3 それぞれ、自分の母と父を恐れなければならない。また、わたしの安息日を守らなければならない。わたしはあなたがたの神、主である。
19:4 あなたがたは偶像の神々に心を移してはならない。また、自分たちのために鋳物の神々を造ってはならない。わたしはあなたがたの神、主である。
19:5 あなたがたが交わりのいけにえを主に献げるときは、自分が受け入れられるように献げなければならない。
19:6 それを献げた日と、その翌日に、それを食べなければならない。三日目まで残ったものは火で焼かなければならない。
19:7 もしも、三日目にそれを食べるようなことがあれば、それは不浄なものとなり、受け入れられない。
19:8 それを食べる者は咎を負う。主の聖なるものを冒したからである。その人は自分の民から断ち切られる。
19:9 あなたがたが自分の土地の収穫を刈り入れるときは、畑の隅々まで刈り尽くしてはならない。収穫した後の落ち穂を拾い集めてはならない。
19:10 また、あなたのぶどう畑の実を取り尽くしてはならない。あなたのぶどう畑に落ちた実を拾い集めてはならない。それらを貧しい人と寄留者のために残しておかなければならない。わたしはあなたがたの神、主である。

聖書通読を進めている。聖書全体を読み進めるために、一助として聖書各巻の緒論を始め、その第三回となります。

Ⅰ.基本的なことがら
著者:伝統的な受け止めとしてモーセ(モーセ五書の第三巻)
出エジプト記は律法の授与の後、幕屋の建設が示され、神に仕える祭司の務めが明らかにされた。祭司のさらに細かな規定がレビ記の内容となる。
執筆年代:出エジプトの年代を早期説としてB.C.1450年頃。創世記、出エジプト記、レビ記の順に記されたことが理に叶っている。
大区分:1~7章 ささげ物:全焼のささげ物、穀物のささげ物、交わりの  いけにえ、罪のためのささげ物、過失のためのささげ物、祭司への指示
8~10章 祭司と聖所:アロン・その子らの聖別、務め、ナダブ           ・アビフの失敗
11~16章 汚れの除去:食物、出産、ツァラアト、贖罪の日
17~22章 潔さを保つ:食物、結婚、行動
23~27章 時の聖別・祝福と裁き・誓願

Ⅱ.基本的なメッセージ:「ささげ物」1~7章
全焼のささげ物:燔祭。特別な潔さ、全き潔さを表す。朝夕に聖所でささげられる。イエス様の完全な犠牲を指し示す。数種の潔い生き物がささげられるのは私たちの献身を示す。
穀物のささげ物:素祭。粉として砕かれる。単独ではなく添加、調理する。砕かれて、姿を変えて食せられる者となる。聖霊の実、潔さの実を結ぶ。
交わりのいけにえ:酬恩祭。和解のささげ物。神様の分、祭司の分、ささげた者の分を分かつ。平和のささげ物と呼ばれるように神様と人との和解を表している。
罪のためのささげ物:罪祭。罪の解決のための犠牲となる。血が注がれ、脂肪は祭壇で焼かれ、残りは焼き捨てられる。人の罪故のイエス様の十字架を指し示す。
過失のためのささげ物:愆祭。とが、過失による損害の賠償が含まれている。
礼拝者としてのささげ物、罪の代償としてのささげ物があった。ささげ物は、神様との交わり、人との交わりが正しくなされるためにささげられる。

Ⅲ.基本的なメッセージ:「聖なる民としての歩み」19:1~10(12)
この箇所は十戒を具体的に示している。「自分の母と父を恐れなければならない。」(3節・第5戒)、「安息日を守らなければならない。」(3節・第4戒)、「偶像の神々に心を移してはならない。」(4節・第1戒)、「鋳物の神々を造ってはならない。」(4節・第2戒)、「盗んではならない。」(11節・第8戒)、「互いに偽ってはならない。」(11節・第9戒)。十戒が果たされるための大切な要件は「あなたがたは聖なる者でなければならない。あなたがたの神、主であるわたしが聖だからである。」(2節)に示される。神様によってきよくされることは先に見たようにささげ物・犠牲・贖いによってきよくされる。旧約時代は犠牲の諸規定であったが、今はイエス様が完全ないけにえとして成就して下さっている。十字架の贖い、血潮は私たちをきよくすることができる(ヨハネ第一1:7)。

イエス様によって聖なる民とされた私たちは、イエス様のきよさに与り、具体的にきよさを表す者である。