ヨハネ受難曲

聖歌隊が特別な思いで取り組んでいるのがバッハ作曲「ヨハネ受難曲」です。

受難曲とは新約聖書「福音書」のキリストの受難の出来事に音楽をつけた作品です。
J.S.バッハは受難曲を5曲作曲しましたが、完全な形で現存するものは
マタイ受難曲とヨハネ受難曲の2作品です。両者ともバッハ全作品を代表するものであり、クラシック音楽の神髄といっても良い名作です。

マタイ受難曲がイエス・キリストに関するエピソードを数多く含んでいるのに対し、
ヨハネ受難曲はいきなりイエスの捕縛から始まり、受難の出来事だけを中心に
展開されていきます。曲の展開は福音書の流れに沿っていますが、それだけではなく、
祈りのコラールや自由詩からなるアリアなどの楽曲を聖書の流れに呼応しながら
挿入することで、より立体的に構成されています。

悲しみに満ちた受難は、静かな安息を求める埋葬歌(39番)を経て、天国への凱旋を
力強く賛美するコラール(40番)でフィナーレを迎えます。

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